マックスバリュ西日本、2012年、第3四半期、増収減益!
マックスバリュ西日本が12/26、2012年2月期、第3四半期決算を公表した。結果は、営業収益1,889.62億円(5.1%)、営業利益 38.11億円(-8.9%)、経常利益 39.94億円(-8.4%)、当期純利益 9.87億円(-54.4%)と、増収とはなったが、利益はいずれの段階でも減益となる決算となった。この第3四半期決算は、食品スーパーマーケット各社が増収減益、ないしは減収増益と、大半が増益となる決算であるが、マックスバリュ西日本は、このような中で、守りよりも、攻めを重視しているといえ、強気の経営戦略といえる。
実際、この第3四半期決算では、「マックスバリュグランドイオンタウン姫路店(兵庫県姫路市)、マックスバリュ中島店(兵庫県高砂市)、ザ・ビッグ丸亀城南店(香川県丸亀市)、ザ・ビッグイオンタウン防府東店(山口県防府市)、マックスバリュ溝口店(兵庫県姫路市)、マックスバリュ宮上店(兵庫県姫路市)、ザ・ビッグエクストラ萩店(山口県萩市)、マックスバリュ段原店(広島市南区)、マックスバリュ城の西店(兵庫県姫路市)を開店いたしました。なお、当期末の店舗数は、SSM業態136店舗、ザ・ビッグ業態31店舗の合計167店舗になりました。」と、積極的な新規出店を展開している。
マックスバリュ西日本のキャッシュフローを見ても、営業活動によるキャッシュフローは35.54億円(昨年54.94億円)と、大きく減少しているが、投資活動によるキャッシュフローは-43.23億円(昨年-62.11億円)と、2期連続で営業活動によるキャッシュフローを大きく上回っている。しかも、財務活動によるキャッシュフローは-4.01億円(昨年-16.98億円)であるので、内部留保を取り崩して、投資へキャッシュを配分しており、資産の現金及び預金も36.42億円(前期決算時48.13億円)と、減少している。特に、この第3四半期決算では、財務活動によるキャッシュフローの有利子負債関連が5.32億円(昨年-7.68億円)とプラスになっており、借入を増やしての積極的な投資である。いかに、投資、先にあげた新規出店を最優先で取り組んでいるかがわかる。
では、なぜ、マックスバリュ西日本の、この第3四半期決算の営業利益が減益となったのかを原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、76.78%(昨年76.06%)と、0.72ポイントと大きく上昇している。結果、売上総利益は23.22%(昨年23.94%)となった。マックスバリュ西日本としては、今期、「プライベートブランドである「トップバリュ商品」についても、品揃えの拡充やお客さまに分かりやすい売場づくりに取り組んだ結果、トップバリュ商品の売上高構成比は前年同四半期累計期間より1.2%伸張し、10.0%に達しました。」とのことである。
ただ、同時に、「お客さまの価格志向の高まり並びに競合各社との価格競争に対応するために、EDLP(エブリデー・ロー・プライス)商品の拡販に注力いたしました。EDLP商品である「家計応援商品」、「家計応援スペシャル商品」では、お客さまの生活に密着した購買頻度が高い商品を再選定し、該当商品に係る様々な商品コストを見直すことにより、継続的にお買得な価格を実現いたしました。」とのことで、相殺され、むしろ、EDLPの価格訴求が原価改善を上回る勢いであったものと考えられる。
一方、経費の方であるが、23.49%(昨年23.84%)と、0.35ポイント減少している。これについて、マックスバリュ西日本は、「販売費及び一般管理費面では、EDLC(エブリデー・ロー・コスト)を大前提として、全社を挙げてコストコントロールに取り組みました。その結果、当第3四半期累計期間の販売費及び一般管理費計は既存店ベースで98.5%に抑制したものの、新店等の経費計上により全社計では対前年同四半期比103.5%となりました。」とコメントしている。確かに、絶対経費は上昇しているが、経費比率は、むしろ下がっており、その意味では経費は改善されたといえよう。
結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.27%(昨年0.10%)と、一転、プラスからマイナスへと転じた。原価の上昇が響いているといえ、それだけ、ディスカウント路線を鮮明に打ち出した結果といえよう。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が2.35%(昨年2.29%)加わり、結果、営業利益は2.08%(昨年2.39%)と、減益となった。マックスバリュ西日本は、ここ最近、ディスカウントストア、ザ・ビックを主体に新規出店戦略を展開しており、今後、経費削減、原価上昇が一層鮮明になってゆくといえ、いかに、そのバランスをとるかが課題といえよう。
このように、マックスバリュ西日本の2012年2月期、第3四半期決算は、増収減益となり、多くの食品スーパーマーケットが増益となり、守りを重視した決算となっているのとは対照的に、攻めの経営を強く打ち出しており、積極的な新店展開が光る決算となった。また、ディスカウント業態、ザ・ビックを積極的に出店しており、結果、全体が経費減、原価増になりがちとなり、利益がとりにくい構造となりつつあるといえよう。したがって、今後、いかに、経費と原価のバランスをとり、利益を確保するかが課題といえよう。マックスバリュ西日本が、今後、そして、来期に向けて、さらに攻めに徹底するのか、それとも、守りを固めるのか、今後の動向に注目である。
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