« セブン&アイH、2012年2月、第3四半期、減収増益! | Main | セブン&アイHとイオンのMD力を比較、異変! »

January 11, 2012

イオン、2012年2月期、第3四半期決算、増収増益!

   イオンが1/6、2012年2月期の第3四半期決算を公表した。結果は、営業収益3兆7,482.96億円(0.4%)、営業利益1,018.18億円(9.1%)、経常利益1,145.60億円(13.3%)、当期純利益365.36億円(-25.6%)となり、増収増益、特に、利益が営業、経常段階では大きく改善した。なお、当期純利益は災害による損失-334.34億円、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額-177.73億円と約500億円発生したため減益となった。ただし、これはいずれも、営業活動によるキャッシュフロー上ではプラスとなるため、今期の営業活動によるキャッシュフローは1,621.81億円(昨年1,358.11億円)と、増加しており、キャッシュ面では増益である。

   そこで、特に、営業利益が増益となった要因を事業部門別に見てみると、「GMS事業が牽引、サービス、戦略的小型店事業も好調」という結果である。実際の数値は、営業収益、営業利益であるが、GMS事業1兆9,002億円(99.1%:営業利益162億円(+54億円))、SM事業8,461億円(103.9億円:営業利益98億円(+4億円))、戦略的小型店事業1,596億円(113.4%:営業利益55億円(+9億円))、総合金融事業1,242億円(98.4%:営業利益141億円(+6億円))、ディベロッパー事業1,195億円(106.7%:営業利益274億円(+5億円))、サービス事業2,348億円(104.3%:営業利益140億円(+15億円))、専門店事業2,301億円(100.3%:営業利益25億円(+0億円))、アセアン事業637億円(99.3%:営業利益43億円(-5億円))、中国事業761億円(101.88%:営業利益15億円(-4億円))、その他事業1,890億円(104.2%:営業利益-11億円(+11億円))である。

   営業収益については、伸び率の高い順に見てみると、戦略的小型店事業113.4%(構成比4.25%)、ディベロッパー事業106.7%(構成比3.18%)、サービス事業104.3%(構成比6.26%)、SM事業103.9%(構成比22.57%)と、これらが伸び率の高い事業である。残念ながら、構成比50.69%のGMS事業が99.1%であるので、全体への影響度は低く、全体が0.4%の伸びに留まったが、今後、営業収益を引き上げるには、このGMS事業が鍵を握っているといえよう。一方、営業利益の方であるが、貢献度の高い順に見てみると、ディベロッパー事業274億円(構成比26.91%)、GMS事業162億円(構成比15.91%)、総合金融事業141億円(構成比13.85%)、サービス事業140億円(構成比13.75%)であり、GMS事業の貢献度が大きかったといえ、GMS事業が回復基調にあるといえよう。

   この第3四半期決算で特に、営業利益が好調であった要因のひとつに、ここ最近、イオンがグループをあげて取り組んでいるPB戦略がある。特に、トップバリューの伸び率が顕著であり、第1四半期52品目、第2四半期104品目、第3四半期148品目と、開発品目を順調に増やし、累計3,792億円(116%)と、大きく数字を伸ばした。これを事業部の規模で見ると、第3番目の事業規模であり、トップバリューはいまやイオンの収益を支える大きな存在となったといえよう。また、今期は、生鮮、デリカのPB化にも積極的に取り組んでおり、こまつな、活〆ぶり、まろやか黒毛和牛、牛肉コロッケなどを開発、GMS事業、SM事業の収益改善につながったといえよう。

   これを踏まえて、キャッシュフローであるが、営業活動によるキャッシュフローは、先に見たように1,621.81億円(昨年1,358.11億円)と大きく増加した。キャッシュフローでは、災害による損失-334.34億円、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額-177.73億円がそのままプラスになり、これが営業活動によるキャッシュフローを大きくプラスにした要因である。そして、その増加したキャッシュの配分であるが、投資活動によるキャッシュフローへは-2,433.55億円(昨年-670.37億円)と約4倍に増やし、思い切った投資を実施した。その中身は有形固定資産の取得による支出-2,290.18億円(昨年-1,399.77億円)と大半を占め、約1,000億円の増加である。営業活動によるキャッシュフローを上回る投資額であり、超強気の攻めの投資といえよう。

   そして、財務活動によるキャッシュフローであるが、154.15億円(昨年-804.92億円)と、プラスとなり、社債、長期借入金で賄ったといえる。したがって、有利子負債は1兆3,316億円(昨年1兆2,024億円)と1,000億円強増加し、総資本に占める割合は31.98%(昨年31.37%)となり、自己資本比率も21.5%(昨年23.5%)と下がった。それにしても、思い切った投資であり、イオンとしては、ここが勝負所とみたようである。

   このように、イオンの2012年2月期、第3四半期決算は増収、営業、経常段階では大幅な増益となり、好決算となった。特に、全体の営業収益の50.69%を占めるGMS事業の営業利益が改善したことが大きいといえよう。ただ、気になるのはキャッシュフローであり、増加した営業活動によるキャッシュフローを大きく上回る投資を行い、有利子負債を増やし、自己資本比率が下がったことである。イオンとしては、ここが攻め時との決断をしたと思えるが、結果、財務改善が後手に回ったといえる。今後、残された第4四半期、そして、その後、来期に向けて、イオンがさらに攻めるのか、それとも、財務の安定を重視し、守りに転じるか、今後のイオンの経営決断に注目である。

New、紙上ID-POS分析セミナースタート、お申し込みは、こちら、まぐまぐプレミアム版!
販売スタート!食品スーパー2011財務3表連環分析、vol1!
菓子パン無料診断!(POS-RDS菓子パン無料診断受付中!)
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ! 資料集

« セブン&アイH、2012年2月、第3四半期、減収増益! | Main | セブン&アイHとイオンのMD力を比較、異変! »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference イオン、2012年2月期、第3四半期決算、増収増益!:

« セブン&アイH、2012年2月、第3四半期、減収増益! | Main | セブン&アイHとイオンのMD力を比較、異変! »