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January 09, 2012

ID-POS分析におけるマーチャンダイジング戦略!

   ID-POS分析におけるマーチャンダイジングは従来のマーチャンダイジングとは、基本コンセプトが大きく変わる。その理由は、マーチャンダイジングの基本方程式が変化するからである。基本方程式が変化することにより、当然のことではあるが、戦略も変わる。そこで、ここでは、ID-POS分析の時代になると、どのようにマーチャンダイジング戦略が変わるのかを、マーチャンダイジングの基本方程式にそって解説してみたい。

   マーチャンダイジングの従来の基本方程式は、売上高=客数(レシート客数)×客単価(金額PI値)であり、さらに、客単価(金額PI値)はPI値×平均単価に分解できる。ここでは、より戦略性を重視し、売上高=客数×客単価(金顔PI値)をもとに検討する。一方、ID-POS分析におけるマーチャンダイジングの基本方程式は、売上高=ID客数×ID金額PI値であり、ID金額PI値=ID客数PI値×客単価(金額PI値)に分解できる。したがって、客単価(金額PI値)はどちらも共通の指標であり、ここでの違いはない。違いがあるのは、客数(レシート客数)にあり、ここがID-POS分析では、2つの指標、すなわち、ID客数×ID客数PI値に分解されることである。

   ただ、ID-POS分析のマーチャンダイジングを理解するには、これはひとつの見方にすぎず、実は、もうひとつ重要な観点がある。それは、ID金額PI値=ID客数PI値×客単価(金額PI値)という数式であり、これがID-POS分析の本質を理解する基本数式である。客数(レシート客数)=ID客数×ID客数PI値もID-POS分析特有のマーチャンダイジングを理解する上でポイントとなるが、この方向でID-POS分析を捉えると、ID客数が主体ではなく、客数(レシート客数)が主体となってしまい、従来のマーチャンダイジングからID-POS分析のマーチャンダイジングを理解する上ではわかりやすいが、ID-POS分析から、従来のマーチャンダイジングを理解する上では、逆に理解しにくくなる。

   なぜなら、従来の客数(レシート客数)をID-POS分析で説明し、客単価(金額PI値)は、そのままであるので、客数アップ戦略を2つの角度から検討しているに過ぎず、マーチャンダイジングという本来、商品そのものに働きかける戦略性が薄れるからである。もちろん、これもID-POS分析の一面を示しており、この見方も重要ではあるが、ID-POS分析の本質を理解するには、もう一方の数式、ID金額PI値=ID客数PI値×客単価(金額PI値)の方がID-POS分析特有のマーチャンダイジングをダイレクトに表現しているといえる。

   ID金額PI値は、IDを基点にした客単価(金額PI値)のことであり、従来の客単価(金額PI値)、客数(レシート客数)を基点にした客単価(金額PI値)とは違い、まさに、ID-POS分析のための客単価(金額PI値)である。そして、このID金額PI値はID客数PI値×客単価(金額PI値)と分解できるので、従来の客単価(金額PI値)を完全に包み込んでおり、しかも、ID客数PI値が掛かっているために、客単価(金額PI値)とは反比例の関係にある。この数式をグラフにすれば一目瞭然であり、横に客単価(金額PI値)、縦にID客数PI値をとれば、掛けた面積がID金額PI値となり、同じ面積、すなわち、ID金額PI値の同じ数値を結ぶと、きれいな反比例曲線、y=1/xのグラフができあがる。

   したがって、客単価(金額PI値)が高くとも、ID客数PI値が低い場合も、逆に、客単価(金額PI値)が低くともID客数PI値が高い場合もあり、どちらも、ID金額PI値は変わらない。ID金額PI値を高めるには、客単価(金額PI値)を高めることが必ずしも正しいことではなく、ID客数PI値をも考慮する必要があり、この2つの指標のマトリクスでマーチャンダイジングを判断することがポイントとなる。ここが、従来のマーチャンダイジングと決定的に違うところであり、そのために、マーチャンダイジング戦略が大きく変化することになる。

   必然的に商品分析は、すべてがID金額PI値=ID客数PI値×客単価(金額PI値)と分解でき、さらに、その商品を購入している顧客1人1人の購入履歴を分析し、ID客数PI値順に並べた顧客明細が加わることになる。そして、マーチャンダイジングはこれまでの客単価(金額PI値)アップに加え、新たに、ID客数PI値のアップ戦略が加わり、そのためには、顧客1人1人の購入履歴をもとに、顧客構造を変化させることが課題となる。そして、そのための具体策として、ダイレクトに顧客に働きかけたり、商品を介して、間接的に価格、POP、棚割り、レイアウト、ちらし、クロスマーチャンダイジング等を実施し、顧客構造を変化させ、ID客数PI値を引き上げてゆくことになる。

   このように、ID-POS分析時代のマーチャンダイジングとは、ID金額PI値=ID客数PI値×客単価(金額PI値)が基本数式となり、これまでのマーチャンダイジングで培われた客単価(金額PI値)のアップを図ることに加え、ID客数PI値を引きあげる戦略をつくりあげることであるといえる。そして、そのためには、必然的に商品からのアプローチに加え、顧客からのアプローチが課題となり、顧客1人1人のID客数PI値、すなわち、購入頻度を直接、そして、商品を介して間接的に引き上げてゆくことがポイントとなる。その意味で、ID-POS分析は従来のPOS分析を100%包み込み、これまでのマーチャンダイジング戦略をIDという顧客視点から転換させる新たなマーチャンダイジングの構築につながってゆくことになる。

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