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January 15, 2012

ID-POS分析で、商いの原点、顧客志向を目指せ!

   ID-POS分析は小売業が自社の顧客の詳細な購入履歴を分析し、マーチャンダイジング戦略に活用すると同時に、マーケティング、すなわち、顧客創造につなげてゆくことが可能な手法であるといえる。特に、食品スーパーマーケットはこれまで、対面販売からセルフ販売へ、そして、ここ最近ではセルフレジ、さらには、ネットスーパーへまで進み、販売に関して自動化が推進されてきた。また、業務面でも自動発注と自動棚割と自動化をめざし、企業経営そのものの完全自動化に突き進んできた歴史がある。ある意味、このID-POS分析は、セルフから対面へ、自動化から人海戦術へと、一見、歴史が逆行するような流れであるが、大きな違いが一点ある。

   それは、ITの飛躍的な進歩である。そして、その背景には、理念、理論、技術の3つのポイントがある。この3つの中でも特に、理念については、実は進歩はしておらず、「店は客のためにある」、あるいは、近江商人の「三方よし」に象徴されるように、その理念は一貫して変わっておらず、いわゆる顧客志向が、恐らく、江戸時代から現在まで日本の商いでは大原則となっているといえる。

   ただ、その顧客を把握するための理論、そして、その技術の進歩が遅れたために、誰もが口にし、実践しようとしてきた理念そのものが実現できなかったといえよう。特に、POSシステムは小売業に販売革命を引き起こし、ほとんどの商品にJANコードがソースマーキングされたことにより、単品管理が名実ともに可能となった。この流れは、コンビニ、食品スーパーマーケット、GMS、ホームセンター、専門店へと、この数10年間で飛躍的な普及が進んだ。当然、理論も従来の売上金額、売上数量から、レシート客数を活用したPI値が生れ、商品の評価も構成比、全体の割合から、PI値、レシート客数当たりの売上げへと変化していった。

   PI値はレシート客数当たりで商品を評価することに関しては、構成比に比べ、一歩、顧客志向の理念に近づいたといえるが、残念ながら、顧客1人1人の購入履歴を把握する指標ではなく、その点では課題を残しているといえる。したがって、そこに、もう一歩、顧客志向を組み込んだ理論へと発展させる必要があり、そこに応えるのがID-PI値の理論である。ID-PI値はレシート客数を基点にするのではなく、ID客数を基点するため、文字通り、顧客1人1人を分析できる理論であり、しかも、商品分析も可能、いわば、「単品顧客管理」を目指している。なおかつ、これまでのPI値の理論はすべて包み込んでいるので、矛盾なく、誰でも、簡単に、直観的に理解することができる。

   そして、最後のポイント、技術であるが、MGI(McKinsey Global Institute)の「Big data: The next frontier for innovation, competition, and productivity」のレポートに象徴されるように、まさに、ビックデータの時代に入ったといえよう。この1/12の日経新聞でも「IT各社、大量データ分析、人材育成に注力」との記事が掲載された。これを見ると、日本でも、NTTデータは「BIラボ」、日本IBMは「ビックデータ、タイガーチーム」、CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)は「ビックデータビジネスタスクフォース」、富士通は「インテリジェントコンピューティング室」を通じて、ビックデータの人材育成、研究開発に本格的に取り組むという。市場規模も2015年には1,500億円となり、実際、IDCジャパンでは、国内のストレージの総出荷容量が、2015年には、2010年の5倍、5,000ペタバイト(ペタは1,000兆、テラが1兆)になる予想を立てている。小売業、特に、食品スーパーマーケットがこの流れの中で、どこまでかかわってゆくのかは現時点では未知数であるが、技術的な問題は数年でほぼ解決されるといえよう。

   また、1/11の日経流通新聞では、1面で、「化粧品売り場、NY発で刷新」、「買い方選べるクリニーク流」、「iPadで肌を自己診断、お薦め商品、90秒で」という特集記事が掲載された。これは、まさに、セルフ販売と対面販売を最新のIT技術をもとに融合した販売手法であるといえ、アメリカの百貨店、ブルーミングデールズのニューヨーク59丁目店で実施されているという。日本でも大丸梅田店、伊勢丹新宿本店で導入されているという。顧客のクリニークを選ぶための質問の組み合わせは、5,200万パターンあるというが、ここから90秒でお薦め商品を画面に表示するために質問を12問に絞り、必要最小限度のパターンに絞ったとのことである。

   こう見ると、ID-POS分析は、理念、理論、技術ともに、特に、小売業の基本理念、顧客志向を実現するために必要な条件が全部整ったといえ、これまでの完全自動化の歴史を否定することなく、むしろ、その流れの中で、理論とIT技術が加わることで発展してゆける可能性が高いといえよう。食品スーパーマーケットにとって、顧客の詳細な購入履歴が把握できる時代はすでにはじまっており、それをどうID-POS分析の理論にあてはめ、ITを駆使し、直接、顧客1人1人に働きかけるマーケティング、さらには、一旦商品を介して、顧客1人1人に働きかえるマーチャンダイジング、どちらも、究極の顧客志向を目指した戦略であり、これが次世代の食品スーパーマーケットが目指すべき、経営戦略ではないかと思う。

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