« ウォルマート、2012年1月、第4四半期、EPS1.51ドル! | Main | サービスって何だ、メーカーって何だ? »

February 27, 2012

食品スーパー、売上速報、2012年1月、103.3%!

   食品スーパーマーケット、上場企業約20社、約2,000店舗の2012年1月度の売上速報を独自に集計した。結果は全体が103.3%、既存店が99.8%となり、堅調な結果となった。やや気になるのは、既存店よりも、新店に支えられた売上増であるといえ、既存店の活性化が課題となる結果である。特に、既存店においては、客数、客単価まで公表している食品スーパーマーケットが14社あるが、その平均を見ると、客数98.1%、客単価100.9%であるので、客単価の改善は図れているが、客数が伸び悩んだことが要因といえる。また、数社ではあるがPI値、平均単価まで公表している食品スーパーマーケットがあるが、同様に既存店の平均はPI値102.8%、平均単価98.4%であるので、価格競争が激化している様相が伺われ、それをPI値でカバーし、客単価アップをはかっているといえる。

   この集計は上場食品スーパーマーケット約20社、約2,000店舗の売上速報であり、1社当たり約100店舗と食品スーパーマーケットとしては大規模であるといえる。そこで、2/21に公表された日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、一般社団法人新日本スーパーマーケット協会、3団体の売上速報を見てみると100.8%、既存店98.1%であり、上場食品スーパーマーケット約20社と比べるとやや低めの数字である。この集計数値は280社、7,582店舗であるので、1社当たり27店舗であるので、小規模店舗が厳しかったものと推測される。実際、規模別に見てみると、1~3店舗が92.6%(既存店99.3%)、51店舗以上101.6%(既存店97.9%)である。

   したがって、食品スーパーマーケット業界全体の傾向として、売上規模が大きい食品スーパーマーケットが健闘しているが、規模の小さい食品スーパーマーケットは苦戦という傾向といえよう。ちなみに、部門別に見てみると、惣菜104.0%(構成比9.0%、既存店100.1%)が最も高い伸びを示しており、ついで、青果102.7%(構成比13.3%、既存店100.2%)である。逆に厳しい部門は畜産99.6%(構成比10.7%、既存店96.7%)、水産99.9%(構成比9.7%、既存店97.3%)である。

   さて、上場食品スーパーマーケット約20社の集計にもどるが、No.1はスーパーバリュー115.7%(既存店109.7%)であり、新店に加え、既存店も好調に推移しており、高い伸び率である。No.2はアークランドサカモト113.0%(既存店99.4%)であり、奇しくも、1、2フィニッシュがスーパーセンターとなり、3/11の東日本大震災以降のHC業界の好調さを維持しているといえよう。ただ、アークランドサカモトはスーパーバリューと比べ、既存店が伸び悩んでおり、気になるところである。

   そして、No.3はヤマザワ110.3%(既存店107.6%)であり、依然として好調さを維持し、高い伸びが続いている。今回の集計の中ではここまでは110%以上の伸びであり、純粋な食品スーパーマーケットとしては、唯一110%以上、しかも既存店の高い伸びに支えられての伸びであり、東日本大震災以降の特需もあると思われるが、既存店の活性化が進んでいるといえよう。実際、ヤマザワの売上高の中身を見てみると、客数108.5%(既存店105.6%)、客単価101.2%(既存店101.4%)であり、客数、客単価ともに堅調な数字である。

    ついで、105.0%以上の食品スーパーマーケットであるが、バロー109.1%(既存店99.9%)、ダイイチ107.3%(既存店101.8%)、ハローズ107.3%(既存店99.4%)、マックスバリュ中部105.7%(既存店101.9%)、マックスバリュ東海105.0%(既存店99.7%)、イズミ105.0%(既存店100.0:推定)という状況である。特に、バロー、ダイイチ、ハローズは積極的な新店開発が売上げを支えており、攻めを重視していることが伺える。

   これに対して、この1月度売上げが伸び悩んだ食品スーパーマーケットであるが、 いなげや99.9%(既存店96.8%)、トーホー99.4%(既存店95.1%)、オオゼキ99.3%(既存店99.3%)、PLANT98.2%、マルエツ95.3%(既存店97.2%)、Olympic:フード84.5%(既存店84.5%)という結果である。オオゼキ、マルエツ、Olympicなど、首都圏の食品スーパーマーケットが多く、気になるところである。

   そして、これ以外の食品スーパーマーケットであるが、ヤオコー104.7%(既存店99.5%)、マックスバリュ北海道104.4%(既存店104.4%)、カスミ102.8%、マックスバリュ西日本102.1%(既存店97.3%)、エコス101.3%(既存店100.6%)、アークス101.2%(既存店100.6%)、マックスバリュ東北100.4%(既存店100.6%)という結果である。

   このように、2012年1月度、今年はじめての食品スーパーマーケットの売上速報であるが、全体としては103.3%と堅調な結果となったが、既存店が99.8%とやや伸び悩んでおり、今後、既存店の活性化が課題となろう。食品スーパーマーケット業界の3団体の数字を見ると惣菜と青果が好調に推移していることから、この2部門をいかに伸ばしてゆくかが鍵を握っていると思われる。今年は、食品スーパーマーケット業界は空前の新規出店ラッシュが控えており、2月、3月の本決算後、各食品スーパーマーケットがどのような成長戦略を打ち出すかが、その動向に注目である。

facebookに「食品スーパーマーケット最新情報」のグループ創設37人、リクエスト
菓子パン無料診断!(全国RDS-POSデータと徹底比較、課題が浮き彫りに!)
google+に菓子パンサークル創設!、リクエスト
食品スーパー2011財務3表連環分析、vol1!(MD力、出店余力、出店意欲!)
週間!食品スーパーマーケット最新情報まぐまぐ! まぐまぐプレミアム版!資料集

« ウォルマート、2012年1月、第4四半期、EPS1.51ドル! | Main | サービスって何だ、メーカーって何だ? »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 食品スーパー、売上速報、2012年1月、103.3%!:

« ウォルマート、2012年1月、第4四半期、EPS1.51ドル! | Main | サービスって何だ、メーカーって何だ? »