ヨークベニマル、新店ラッシュ25店舗、来期以降2年間!
福島県69店舗、宮城県44店舗、山形県16店舗、栃木県20店舗、茨城県27店舗、合計176店舗、これが2/17現在のヨークベニマルの店舗数である。今期ヨークベニマルは、2011年2月10日(ヨークベニマル内郷店)、5月18日(ヨークベニマル保原店)、6月17日(ヨークベニマル白河横町店)、7月1日(ヨークベニマル友部東平店)、11月4日(ヨークベニマル石巻中里店)、11月17日(ヨークベニマル米沢門東町店)、11月24日(ヨークベニマル新本宮舘町店)、そして、明けて、2012年1月20日(ヨークベニマル日和田店)、2月10日(ヨークベニマル三春店)と、9店舗の新規出店をはたしてきた。そして、来期は日経新聞2/16によれば、2012年度、2013年度で、今期を大きく上回る25店舗の新規出店を計画しているとのことである。まさに、新店ラッシュといえよう。
実際、日経新聞を見ると、「福島県と仙台で出店を加速する。」とのことで、さらに、「2012~2013年度の出店数と投資額を過去最高に引き上げ、東北で人口密度が高い両地域の店舗網の拡充を急ぐ。競合各社が東日本大震災の被災地への出店意欲を高めているのに対抗する。」とのことである。日経新聞の記事の中ではヨークベニマルの投資額も取り上げられている。「12年度は今年度比5割増の約120億円を投じ、福島県を中心に12店舗を出店する。10店以上の新規出店は6期ぶりとなる。13年度は約130億円を投じて仙台を中心に13店舗を出店するのが目標。」とのことである。
本ブログでも、食品スーパーマーケットの新規出店情報を取り上げたが、その中で、ヨークベニマルが今後7月までに新規出店の大規模店舗立地法の5条申請を出しているのは、(仮称)ヨークタウン愛子ヨークベニマル(1,330坪、2/28)、(仮称)ヨークベニマル矢野目店ヨークベニマル(601坪、4/24)、ヨークベニマル伊勢山店(625坪、7/25)の3店舗のみである。ただし、この申請は、昨年の12月現在のものであるので、恐らく、この1月、そして、2月には新たな大量の申請がでていると思われ、さらに、今後、続々とヨークベニマルの新規出店の申請がでることになろう。仮に、12年度12店舗、13年度13店舗の新規出店となれば、今期すでに出店した9店舗と合わせると、3年間で34店舗となり、2年後には200店舗の大台を超え、食品スーパーマーケット業界の中でも屈指の売上規模となる。
では、これだけの大量出店を支えるヨークベニマルの財務状況がどのような状況にあるかを出店余力という視点で見てみたい。出店余力とは新規出店に必要な土地、建物、敷金保証金等の資産を負債に依存せず、純資産でどこまで支えられるか見たものである。当然この数字が高い方が、将来的に新規出店を継続的に出店できる余裕があるといえるので、これを出店余力と独自に定義したものである。
実際、ヨークベニマルの前期本決算の数字を見てみると、まずは、純資産比率であるが、79.9%で決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの前期決算の中ではNo.1であり、わずか、約20%しか負債に依存せず、超健全な財務構造である。一方、新規出店にかかわる資産、土地、建物、敷金保証金等の合計は813.78億円であり、これは総資産1,474.54億円の55.2%である。したがって、ここから出店余力を計算すると、79.9%-55.2%=24.7%となり、大きくプラス、決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの前期決算の中では圧倒的なNo.1である。平均が-21.9%であるので、食品スーパーマーケット業界は、約20%前後は負債に依存した新規出店構造となっているといえ、純資産の枠内で新規出店が可能な食品スーパーマーケットは、先の約50社の中では、わずか数社、いかに、ヨークバニマルの出店余力が高く、超健全であるかがわかる。
こう見ると、むしろ、これまで、ヨークベニマルが出店戦略を積極的に押し進めなかった方が不思議なくらいであり、来期以降はまさに満を持して攻めに転じ、一気に、この数年で東北地方、特に、福島県と宮城県のシェアをとり、盤石のドミナントを確立する方針を打ち出したといえよう。日経新聞の中でも、「家計調査などから算出した食品市場に占める同社のシェアは本社がある郡山市が28%あるのに対し、福島県全体では18%、仙台地区は8%弱にとどまっている。店舗の集積効果が大きくなる20%を目標に、13年度以降は仙台地区を重点的に強化する。」とのことである。
このようにヨークベニマルが日経新聞によれば、12年度、13年度の次の2年間で25店舗という大量出店に踏み切るとのことで、この数年が攻め時と経営判断したといえよう。ヨークベニマルは、財務的には食品スーパーマーケット業界屈指の超健全な状況にあり、出店余力は十分すぎるほど高い数字であったといえ、いつ、このような攻めに転じてもおかしくなかったといえる。ただ、今期は、3/11に東日本大震災が起こったことで、新規出店戦略を抑制せざるをえなくなった面があったと思われるが、それを加味しても、今後、2年間で25店舗はまさに大量出店といえる。東北は復興需要もさることながら、ヨークベニマルを中心に今後数年間空前の新規出店ラッシュとなる可能性が高いといえ、今後、東北地方の各食品スーパーマーケットの動向に注目である。
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