家計調査データ、2012年1月度、食品101.5%!
この1月度の消費者物価指数が0.1%の微増となった中での家計調査データが3/2、総務省統計局から公表された。結果は外食を除く食品が101.5%となり、全体が97.9%となる中、堅調な数字となった。ただ、デフレ環境の中、全体の消費は厳しい状況が続いているといえ、家計の節約志向が鮮明な結果といえよう。ちなみに、外食は101.0%と食品同様、堅調な数字であり、結果、エンゲル係数は上昇し、この1月度のエンゲル係数、食品+外食の全体の商品に占める割合は24.4%、昨年の1月度が23.6%であるので、約1.0ポイント上昇、気になるところである。
そこで、まずは、全体の消費が97.9%となった要因であるが、住居517.26円(97.3%)、家具・家事用品293.10円(98.8%)、保健医療375.26円(90.3%)、交通・通信1,171.10円(95.6%)、教育321.26円(92.7%)、教養娯楽878.87円(95.4%)、その他の消費支出1,979.84円(95.0%)がマイナスとなった部門である。特に、保健医療、教育、教養娯楽、交通通信が大きく落ち込んでいるといえる。
それぞれの要因であるが、保健医療では、保健医療サービスが192.29円(84.7%)と最も大きく、特に歯科診療代が35.68円(66.8%)と、大きく落ち込んだことが大きいといえよう。教育は国公立高校9.58円(79.0%)、私立高校36.90円(70.1%)と、高校授業料の無償化の影響が大きいといえる。教養娯楽では、教養娯楽用耐久財が82.29円(68.4%)と、消費者物価指数同様、厳しい状況である。特に、テレビは14.06円(30.6%)と大きく落ち込んでおり、日本を代表する各テレビメーカーが赤字になるのは頷ける厳しい結果となった。これ以外では、金額はさほど大きくはないが、楽器1.03円(34.4%)、ビデオカメラ1.32円(87.2%)、書斎・学習用机・いす5.32円(81.3%)、音楽・映像収録済メディア6.68円(49.2%)、切り花16.61円(85.8%)、ペットフード15.35円(89.3%)も厳しい数字である。そして、交通通信であるが、鉄道運賃53.19円(82.7%)、バス通勤定期代1.87円(71.6%)、タクシー代12.71円(87.0%)、航空運賃10.26円(54.2%)、さらには、自転車購入も4.39円(79.5%)厳しい数字である。
では、逆に、このような全体の消費が厳しい中でも、食品を除き、消費が伸びている部門であるが、被服及び履物450.13円(105.3%)、光熱・水道917.81円(103.8%)、外食458.61円(101.0%)の3部門である。その要因であるが、この1月度、最も消費が伸びた被服及び履物であるが、婦人用着物6.65円(337.7%)、婦人用帯1.29円(200.0%)、他の婦人用和服0.71円(200.0%)と着物が異常値である。ついで、男子用洋服55.32円(111.7%)、子供用洋服32.81円(119.1%)が良く伸びている。一方、婦人用洋服は103.10円(94.7%)と伸び悩み、明暗が分かれた。
光熱・水道であるが、電気代393.65円(105.0%)、ガス代233.52円(105.4%)といずれも家計に直接響く項目であり、本来であれば、消費を押しあげて欲しくない項目であるが、消費者物価指数とほぼ連動し、値上げ=消費増となっているのが現状といえる。そして、外食であるが、日本そば・うどん13.52円(109.7%)、喫茶代 14.71円(107.5%)が好調であり、これ以外も外食は、この1月度堅調な数字で推移している。
これらの概況を踏まえ、食品はどうかであるが、まずは、大項目の中で伸びた部門であるが、穀類183.45円(103.6%)、野菜・海藻249.26円(102.1%)、果物81.58円(102.9%)、油脂・調味料 100.26円(100.1%)、菓子類199.32円(101.7%)、主食的調理食品115.16円(109.1%)、飲料111.77円(104.6%)と、ほぼ全体的に堅調な数字であり、特に、主食的調理食品(惣菜)、飲料、穀類が好調である。
そこで、この3つの部門の要因を見てみると、まずは、主食的調理食品(惣菜)であるが、弁当34.19円(115.7%)、サラダ8.13円(113.0%)、おにぎり・その他8.71円(111.6%)が絶好調である。飲料では、ミネラルウォーターが7.16円(120.0%)と異常値であり、ついで、炭酸飲料8.52円(118.9%)、コーヒー飲料7.97円(118.2%)、乳酸菌飲料8.32円(115.7%)、紅茶2.71円(112.0%)と、軒並み好調である。そして、穀類であるが、米 55.19円(107.9%)、パン74.35円(105.2%)ともに好調であり、スパゲッティ3.19円(108.8%)、即席めん4.90円(102.0%)、そして、小麦粉も1.68円(102.0%)と堅調である。
一方、消費が伸び悩んだ部門であるが、魚介類195.45円(98.1%)、肉類198.97円(99.8%)、酒類87.97円(97.4%)であり、わずか、3部門であり、いかに、食品が好調な消費状況であるかがわかる。この中で、特に、消費が厳しかった項目であるが、魚介類では、まぐろ11.48円(84.4%)、ぶり11.26円(88.6%)、さしみ盛合わせ14.48円(95.7%)といずれも10円以上の項目であり、大きな影響がでているといえよう。肉類では牛肉47.16円(94.3%)が最も厳しい数値である。酒類では、清酒15.32円(92.8%)、焼ちゅう15.10円(88.0%)、ビール21.90円(95.6%)、発泡酒・ビール風アルコール飲料18.52円(98.5%)が厳しい状況であるが、一方で、ウイスキー3.94円(182.1%)、ワイン7.16円(116.2%)と絶好調な項目もあり、明暗が分かれた。
このように、今年はじめ、2012年1月度の消費状況は全体の消費は97.9%と厳しい数字となったが、食品は101.4%と堅調な数字となった。食品は家計調査分類では11部門に分かれているが、昨対を割ったのはわずか3部門であり、全体として、好調な消費状況にあるといえよう。全体としてはデフレが続き、消費も厳しい状況にあるが、こと、食品は堅調であり、消費全体を牽引しているといえ、責任重大である。次回は2月の数字、そして、東日本大震災のあった3月度の数字へとつながってゆくが、食品がこのまま好調さを維持できるか、そして、全体の消費が上向いてゆくのか、消費者物価指数の動向を含め、気になるところである。
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