チェーンストアエイジ3/1号、バナナPI値分析、投稿!
チェーンストアエイジ、最新号、2012年3/1号に、バナナのPI値分析を投稿した。バナナは食品スーパーマーケットの中では極めて重要な商品であり、年間を通じて、果物のトップクラスを走り続ける最重点商品である。ところが、このバナナが顧客から人気があるがゆえに、再三、特売に入ることが多く、食品スーパーマーケットのちらしにバナナが登場しないことはないくらい、バナナは特売商品の代名詞ともなっているのが現状といえる。実際、食品スーパーマーケットで、バナナのPI値分析をすると、大半は、平均単価が下がり、逆にPI値は上がるが、その結果、金額PI値が上がる場合もあれば、下がる場合もあり、不安定な売上げとなるケースがほとんどである。
食品スーパーマーケットのバナナの売場を見ても、100円、150円クラスのバナナが売場を占拠し、そこに大きなPOPが貼られ、いかにバナナが安いかを強く訴えているケースが多い。したがって、バナナはいかに安く売るかがバナナのマーチャンダイジング戦略そのものとなっており、そのためにバイヤーはいかにバナナを安く仕入れ、量を確保するかに必至となっている場合が多い。
このようなバナナの惨状を踏まえ、今回のチェーンストアエイジのバナナの記事では、この正反対、対極を目指したバナナの実証実験を実際の食品スーパーマーケット、広島のフレスタで実施し、そして、その結果の検証、PI値分析を試みた。その対極のバナナのマーチャンダイジングとは、PI値に着目するのではなく、PI値とペアを組んでいるもう一方の指標、平均単価に着目し、平均単価アップで金額PI値を目指そうという試みである。いわば、逆バリのマーチャンダイジング戦略である。
その検証に使われたバナナはドールの極撰であるが、平均単価298円と、これまでの主力のバナナ100円、150円と比べると2倍、3倍の平均単価の付加価値の高いバナナであり、この極限ともいえるバナナ、極撰を強化した場合、バナナ全体がどのような結果となるのかを数週間に渡って検証し、冷静にPI値分析でその結果を見極めようという試みである。今回のチェーンストアエイジで掲載された分析結果は、広島県のフレスタ、上天満店のみであるが、この平均単価アップのバナナの検証は全国的に試みられており、その中の典型的なケース、検証結果である。
さて、その結果であるが、詳細な数字はチェーンストアエイジ誌で確認して欲しいが、ここでは、ポイントをあげると、バナナ全体の週間の検証結果は金額PI値(前週比113.0%、昨年比107.5%)、16,310.9円(1,000人当たり)となった。その中身であるが、PI値(前週比105.8%、昨年比97.9%)と、特に昨年比は下がり93.8個(1,000人当たり)となったが、平均単価(前週比106.8%、昨年比109.8%)と174.0円と上昇し、これが金額PI値を押上げ、売上アップにつながったといえる。
その要因が、今回、戦略的に展開した平均単価の高い極撰にあったかどうかであるが、極撰の検証結果を見ると、週間の金額PI値が5,993.2円(バナナ全体の36.7%)となり、明らかに、バナナ全体の金額PI値を押しあげたことがわかる。しかも、そのPI値は20.1個と21.4%のバナナ全体のPI値の構成比であり、PI値の貢献も金額PI値ほどではないが高い結果となった。特にPI値20.1個は1,000人当たりであり、%換算、すなわち100人当たりでは2.01%となる。食品スーパーマーケットでは全商品約10,000SKUの中でも、PI値1.0%以上の商品はわずか200品ぐらいであり、2.0%以上となると、数10品となる。したがって、バナナはもちろん全商品の中でも298円と高額な商品であるにもかかわらず、これだけ高いPI値を示すのは驚異的な数字といえ、いかに、極撰がお客様から高い支持を得たかがわかる。
今回は実証実験でもあることであり、この極撰の売場での面積を、チェーンストアエイジの写真に掲載されているように50%確保したこともあり、極撰のS顧客(毎週)購入している顧客だけに支持されたのではなく、Z顧客(0、未購入)、B顧客(年間1個)やA(毎月)の顧客にも支持ささたことが大きかったとは思うが、それでも、このような平均単価アップの絵にかいたような検証結果が出るとは驚きである。
これまでPI値戦略は金額PI値=PI値×平均単価であり、PI値のみに焦点が当たり、ペアとなっている平均単価にはなかなか焦点があたらず、平均単価はむしろ下げ、PI値さえあげれば良いという風潮があった。ところが、今回のバナナの検証結果のように、平均単価に焦点を当て、PI値は下がっても、金額PI値を高めるマーチャンダイジング戦略がPI値分析で実証されたことは、今後のバナナのマーチャンダイジングに活用できるだけでなく、デフレに陥り、価格競争がより激しくなり、平均単価の下落に歯止めがかからない現状を食い止めるためにもひとつの朗報、新たなマーチャンダイジングの可能性を示したといえよう。マーチャンダイジングはPI値アップは、もちろん重要な戦略課題ではあるが、実は、平均単価アップも同様に重要な戦略課題であるといえ、マーチャンダイジング戦略を検討する際は、PI値、平均単価、双方から検討して欲しいところだ。
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