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March 02, 2012

クロスマーチャンダイジング、今年の主役か!

   今年のマーチャンダイジング戦略の主役となるのでないかという勢いで各社、クロスマーチャンダイジングへの取り組みが活発である。日経MJ、2/1号では小売業のクロスマーチャンダイジングが、そして、2/27号ではメーカーのクロスマーチャンダイジングの記事が取り上げられた。クロスマーチャンダイジングは何と何を組み合わせるか、それにより、効果が大きく違うが、ここ最近ではID-POS分析が浸透しはじめたこともあり、クロスマーチャンダイジングの精度が上がりつつあるといえる。

   まずは2/1の日経MJの特集記事であるが、見出しは、「クロスMD、需要深掘り」、「異分野の商品並べ販売」、「POSデータ、メーカーと共有」、「カン頼み脱却、精度向上」であり、POSデータをメーカーと共有することにより、クロスマーチャンダイジングの精度が向上していることを伺かがわせる内容である。この特集記事の冒頭の事例では、ライフコーポレーションと日清オイリオとのクロスマーチャンダイジングの事例が取り上げられている。

   その中身は、日清オイリオがPOSデータを分析したところ、ごま油とレトルトのおかゆを一緒に購入している顧客がいることに着目し、ライフコーポレーションにクロスマーチャンダイジングを提案したとことが発端だという。これを受けて、ライフコーポレーションでは、「中華風のおかゆに商機がある」とみて、七草がゆに合わせたクロスマーチャンダイジングを実施したところ、売場の関連商品の販売量が前年比2倍以上に伸びたという。まさにクロスマーチャンダイジングの典型的な事例であるといえる。

   特に、この「一緒に購入」は、リフト値の活用であるといえ、今後、このリフト値がクロスマーチャンダイジングの仮説構築、そして、検証における基本指標となってゆく可能性が高いことが示されたといえよう。ちなみに、リフト値はID-POS分析では標準的な分析となっているが、通常のPOS分析でも十分とはいえないが、実務上は活用可能な指標である。この場合でいえば、ごま油の購入レシート、レトルトの購入レシートをすべて抽出し、その中から、ごま油とレトルトを同時に購入しているレシートを抜出し、そこからリフト値の数式にあてはめ計算すれば、リフト値は算出される。

   要は、ごま油の客数PI値よりも、レトルトの購入レシートあたりの、ごま油の同時購入の客数PI値とを比べた時、後者が前者よりどのくらい高いかを見て、それが1.0倍以上であれば高い、1.0倍以下であれば低いと判断し、高い場合はレトルトがごま油を押上げる(リフト)と判断し、クロスマーチャンダイジングをかければ効果が期待できるというロジックである。恐らく、今回のケースは、このようなことが背景にあり、ごま油とレトルトとのクロスマーチャンダイジングが実現したのではないかと思う。

   このように、クロスマーチャンダイジングはリフト値が決め手となるといえ、これがID-POS分析になれば、同時購入に加え、期間購入も判断できるので、同時には購入していないが、ある一定期間内では購入していることもわかり、より、精度の高いクロスマーチャンダイジングの実践が可能となる。

   記事では、これに加え、コープさっぽろの事例も取り上げられているが、この事例はまさにID-POS分析での事例であり、スープとウィンナーの同時購入が高いことを発見し、双方の製品をクーポン発券機のモニターに同時に表示したところ、双方の売上げが伸びたという。これはクロスマーチャンダイジングといっても、実際の売場をつくることではなく、バーチャル上でのクロスマーチャンダイジングであり、今後、このようなクロスマーチャンダイジングも増えてゆくことになろう。

   そして、2/27の日経MJであるが、アサヒビールとエバラ、メーカー同士のクロスマーチャンダイジングの事例が取り上げられている。見出しは、「5000店でクロスMD」、「アサヒとエバラ、3ケ月に期間延長」である。内容は、ビールと焼肉のたれをスーパーの売り場で一緒に並べるクロスマーチャンダイジングの実施店を今年は過去最高の5000店に増やすとのことである。このクロスマーチャンダイジングの企画は2009年から実施してきたとのことで、2010年には2800店、2011年は4000店で実施したとのことである。しかも、酒、調味料売場だけでなく、精肉や野菜売場でも展開するという。店舗全体をつかった大型企画であり、店舗も5000店と莫大な数である。これまでの大陳コンテストのクロスマーチャンダイジング版ともいうべき企画であり、メーカーだけでなく、食品スーパーマーケット側にとっても大きなメリットのあるクロスマーチャンダイジングであるといえよう。

   このように、クロスマーチャンダイジングは食品スーパーマーケットだけでなく、ここ最近は食品スーパーマーケットがPOSデータを開示しはじめ、さらに、ID-POSデータの開示もはじまったことにより、その精度が上がり、メーカーが積極的に取り組みはじめたことが、その普及に拍車をかけているといえよう。今後、ID-POS分析の技術も向上し、より効果のあるクロスマーチャンダイジング手法が次々に開発されることも考えられ、今年は、クロスマーチャンダイジングが流通業界全体を巻き込み、本格化するのではないと思われる。食品スーパーマーケット、メーカー、双方のクロスマーチャンダイジングの動きに注目である。

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