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March 07, 2012

RDS001:ヨーグルトをPOS分析してみると、・・

   ヨーグルトは日配のカテゴリーの中でも実におもしろい商品が多い。特に、RDS、(財)流通システム開発センターのPOSデータと自社のPOSデータを比較検討すると、これまでに見えなかった様々なヨーグルトの姿が浮かび上がり、マーチャンダイジングの改善のための様々なイメージが浮かんでくる。RDSにはヨーグルトだけで300種類ぐらいある。地域によって多少の違いがあるが、東北地区、近畿地区ではちょうど300種類、首都圏ではやや多く、350種類を超える。ところが実際、各店で扱っているヨーグルトは60SKUから70SKUであり、20%前後である。したがって、約80%は未導入のヨーグルトが市場には出回っているといえ、これひとつとっても、新商品、いわゆる、その店舗ではじめて扱う商品が無限にあるといっても過言ではない。

   ヨーグルトのマーチャンダイジングのおもしろさは、菓子パンと牛乳のマーチャンダイジングを兼ね備えた、両方を足して2で割ったようなマーチャンダイジングである点にあるといえる。しかも、各メーカーの商品開発も半端ではなく、おそらく、すべてのカテゴリーの中でも、考えられるあらゆる商品開発がなされているといえ、新商品も続々と登場し、メーカー同士の商品開発競争も熾烈である。特に、ここ最近は海外勢も頑張っており、ダノンのダノンビオプレーン加糖80g×4個は日本中を席巻しており、売場スペースが十分に取れるところでは、ダノンシリーズだけで4尺1本割いている食品スーパーマーケットもある。

   ちなみに、このダノンビオプレーン加糖80g×4個の客数PI値、金額PI値であるが、2012年1月現在、東北地区、客数PI値85.1%(金額PI値597.3円)、首都圏、客数PI値99.0%(金額PI値484.0円)、近畿、客数PI値96.0%(金額PI値411.8円)であり、東北地区の金額PI値が最も高く、客数PI値は特に、首都圏は99.0%と100%に近く、すごい導入率である。これまでヨーグルトは3連が中心であったが、この商品が大ヒットしたことで一気に4個パックが主導権を握り、各社、この種の商品開発がなされ、ヨーグルトの売場が様変わりしつつある。

   ちなみに、客数PI値100%の商品であるが、明治プロビオヨーグルトLG21 112g(東北、首都圏)、明治 プロビオYG LG21ドリンクT112(首都圏)、明治ブルガリアヨーグルトLB81 450g(近畿)、明治ブルガリアのむヨーグルトプレーン1L(近畿)、明治 ブルガリアヨーグルトブルーベリー80g×4(近畿)、メグミルク牧場の朝ヨーグルト78g×3(近畿)、森永アロエヨーグルト85g×2(近畿)、ダノンビオプレーン砂糖不使用80g×4個(近畿)のみである。近畿が多いのが特徴といえるが、これを含め客数PI値100%に近い商品が各地区10品ぐらいあるのが特徴である。

   したがって、ヨーグルトの重点商品は日配では珍しく、全国的に普及しているナショナルブランドが多く、このような客数PI値の高い商品はいかに平均単価、価格設定を間違いないことが最優先課題となる。そのためにはRDSデータが極めて重要な指針となり、少なくとも、客数PI値の高い商品に関しては、RDSデータの平均単価よりも可能な限り、高くならないような価格設定がポイントといえる。実際、この平均単価と乖離がある売価設定をすると、金額PI値が大きく下がるのが実態であり、消費者はこと客数PI値の高い商品はシビアに価格を見て購入を判断している様子がRDSデータからも鮮明である。

   さて、ヨーグルトが菓子パンと牛乳の双方を合わせてもっている最大の根拠は上位10品の売上構成比である。どの店舗でも共通にだいたい50%前後となるのが通常であり、牛乳のように上位3品で70%とか、逆に菓子パンのように、上位10品で30%ということはなく、ほぼ上位10品では半分となるのがヨーグルトの特徴である。したがって、残り50%、約50SKUの品揃えがヨーグルトのマーチャンダイジングの活性化の鍵を握っているといえ、この品揃えをいかに顧客の嗜好に合わせられるかがポイントである。

   ひと口に品揃えといっても、パーソナルユースとファミリーユースの商品があり、バラ、2連、3連、4連とアイテム分割がきめ細かく、さらに、プレーンを基本に様々なフレーバーがあり、低糖、低カロリー、砂糖0まである。食品において考えられるパターンの商品開発がすべて集約されたカテゴリーがヨーグルトといえる。したがって、商品1品1品のメーカーの開発意図を理解した上で、さらに、RDSデータ等により、自店が未導入商品でも、RDSで客数PI値が高く、金額PI値の高いもの、さらには、客数PI値が低くとも、金額PI値の高いものはどんどん新規導入をはかり、活性化をはかるべきであるといえる。

   このように、ヨーグルトは実に奥が深く、メーカー各社が熾烈な商品開発競争を繰り広げており、あらゆる角度から商品開発がなされているカテゴリーであるといえる。しかも、重点商品だけでは、ヨーグルト全体の約50%の売上構成比であり、重点商品の強化はもちろんであるが、品揃えの改善も同様に重要な商品であり、顧客の声を良く聞き、品揃えの見直しを絶えず実施してゆくことがマーチャンダイジングにとっては重要な課題となる。やればやるほど、研究すればするほど、大きく差がでるカテゴリーでもあり、だからこそ、やりがいがあるカテゴリーでもある。

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