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September 03, 2012

ID-POS分析での「検証」について

  この4月にID-POS協働研究フォーラムを関係先数社と立ち上げて、この9月で、ちょうど6ケ月が経過する。早いもので、もう半期の終了である。参加小売業の食品スーパーの3店舗、東京、埼玉、千葉のID-POS分析データ、過去2年間、約700日分の日別の事前データをもとにスタートし、クラウドを活用し、いつでも、どこでもパソコンさえあれば、ID-POS分析が可能な体制でスタートした。参加メーカー、卸は現在15社となり、この間、ID-POS分析を用いた3店舗での実証実験も始まり、すでに終了したものもある。また、ID-POS分析の分析ツールも当初、基本のID-POS分析に加え、このフォーラム用にID-POS分析バージョンのMD評価表を約10帳票ほど新たに作り、いまでは、参加企業がこの帳票を頻繁に活用しはじめている。

  特に、今回のID-POS協働研究フォーラムは、参加メーカー、卸の取扱い商品だけでなく、参加小売業の食品スーパーの3店舗の全カテゴリー、全商品、1万以上のSKUが過去2年間、約700日、日別にさかもどることができる。さらに、今後、半年間、スタートからは1年間、日々追加されてゆくID-POS分析データを閲覧、活用することができるので、現在の参加15社のメーカー、卸にとってはこれまでにないID-POS分析に取り組むことが可能である。グロサリーはもちろん、生鮮食品、惣菜、日配食品、酒、雑貨まで1品1品、ID-POS分析が可能であり、しかも、今回のID-POS分析の実証実験の成果は自由に営業活動に活用することもでき、こんな自由度の高いMD研究会はかつてなかったといえよう。

  実際、過去1年間の日別、365日のID-POS分析の各指標での棒グラフでの推移を作ってみると、まさに壮観、1年間のマーチャンダイジングの成果が一目で把握でき、これがまさに、ID-POS分析での52週、365日のマーチャンダイジングなのだと実感できる。ID-POS分析は基本方程式を売上高=ID客数×ID金額PI値=ID客数×ID客数PI値×金額PI値=ID客数×ID客数PI値×PI値×平均単価、さらに、IDPI値、客数(レシート枚数)、売上数量が加わり、これらひとつひとつの指標ごとに365日の日別グラフの作成が可能であり、これを見ているだけでも、マーチャンダイジングを様々な角度から俯瞰でき、新たな仮説が次々に浮かび上がる。

  さて、このような背景のもとに進んできたID-POS協働研究フォーラムであるが、ここへ来て、ID-POS協働研究フォーラムとして、最大のテーマが浮上してきた。そのテーマとは「検証」である。

  意外なことであるが、ここ最近、食品スーパーで大はやりの通常のPOS分析でのMD研究会、ポストFSPとして、注目を集めつつあるID-POS分析を活用してのMD研究会において、「検証」が疎かになっている場合が多い。そもそも小売業がPOSデータをメーカー、卸に開放し、「仮説」の提示を求める時点で、小売業側が「仮説」の構築を放棄し、メーカー、卸に委ねているわけであり、その時点で「検証」が抜けているともいえる。

  一方、メーカー、卸側でも「仮説」は何とか、かんとかつくることは可能であるが、当たり前のことであるが、得てして自社に有利な仮説とならざるをえないのが実態であり、それ以上に、その「仮説」を、特にID-POS分析の観点から、最新の研究成果を組み入れ「検証」しているケースは極めて稀である。当然、小売業側でも、メーカー、卸の提示した「仮説」を実践は売場でできるが、「検証」は十分にできず、この「検証」が抜け落ちている場合が多い。

  その背景には、POS分析であればまだしも、ID-POS分析では先に上げたように、指標だけでも数10はあり、さらに、新たな指標が次々に生まれ、ID-POS分析の研究は世界中で取り組まれているが、その最新の研究成果を取り入れるのは至難の技であり、さらに、「検証」は何といっても試行錯誤が伴うため、時間と体力、そして、根気が必要だからである。

  実際、今回のID-POS協働研究フォーラムでも、酒の検証を実施してみたが、検証のための基本帳票だけで現時点で53帳票、分析グラフが87図表あり、これを作成するだけで優に試行錯誤を入れ、すでに10時間はかかっている。ここから最後、結論を導き、レポート作成に入ることになるので、まだまだ終わらない。したがって、このような試行錯誤、膨大な作業をID-POS分析の知見にもとづいて誰がやるか、メーカー、卸なのか、小売業、すなわち、食品スーパーなのかと考えた場合、どちらが担当しても無理があるように思える。

  今回はID-POS協働研究フォーラムであるので、私を含め事務局が1次的には担っており、何とか全体が回っているが、ID-POS分析はこの「検証」体制が確立できていないと、メーカー、卸はもちろん、小売業側もID-POS分析を活用し、マーチャンダイジングの改善を実践してゆくことは難しいといえよう。

  しかも、この「検証」に求められる要素は、「スピード」、「精度」、「着想」であり、この3つを満たす体制づくりが「検証」の要諦となる。「スピード」はどんな「検証」もできれば、仮説の実践終了後3日以内が理想といえよう。かかっても1週間が限度であろう。「精度」はわかりやすい結論が数枚のレポートで簡潔にまとめられていること、できればたった1枚のA4で表現できればベストであろう。そして、「着想」、これは最新のID-POS分析の研究成果にもとづき、「検証」の次につながる新たな仮説を示唆する内容を組み込むことである。

  ID-POS協働研究フォーラムも、いよいよ、この10月から、後半に入る。後半は、この3つの要素「スピード」、「精度」、「着想」を組みいれた「検証」を実現すべく、メーカー、卸、そして、小売業の「検証」の支援のために、確固たるID-POS分析での「検証」体制を固めてゆければと思う。

facebook、PI研コメント
・久しぶりに、小論です。今回は「検証」についてまとめてみました。ID-POS分析の「検証」体制は小売業はもちろん、メーカー、卸も十分にその体制ができているといえないのが現状です。特に、小売業主催のMD研究会では「仮説」も「検証」もメーカー、卸に委ねているケースが大半であり、委ねられたメーカー、卸も通常のPOS分析では何とか対応していますが、ID-POS分析となると、特に「検証」については十分に対応できているとはいえないのが現状といえます。現在、ID-POS協働研究フォーラムを関係先数社と事務局を立ち上げ、実施していますが、やはり、この「検証」は大きな課題であり、この「検証」体制の構築に全力を挙げて取り組んでいます。この9月中には体制固めを終え、後期、10月からはメーカー、卸、そして、小売業への支援体制を強化できると思います。
・ここ最近、ID-POS分析の日別検証に凝っており、気になる商品はすべて365日の日別のID-POS分析を行い、それを棒グラフにして眺めています。ID-POS分析はIDを基点に「検証」がなされますが、このグラフをつくると、売上高とID客数が見事にシンクロナイズされ、売上とはまさに顧客に支えられていることが実感できます。これまでのPOS分析ではID客数を見ることも把握することもできなかったため、売上数量と平均単価の関係に、「検証」を求めざるをえませんでしたが、ID-POS分析ではまずは顧客、ID客数の変化に「検証」を求めることになります。なぜ、ID客数が変化したのか、その顧客はどのような顧客か、どのような購入頻度(SABZ)なのか、属性はというように、顧客に答えを求めてゆきます。すべては顧客からはじまり、そして、顧客で終わる、これがID-POS分析の「検証」であり、まさに商品と顧客との関係、これを徹底的に解明することがID-POS分析における「検証」のテーマといえます。


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