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September 17, 2012

ヤオコー、低価格戦略へソフト!

ヤオコー、来年度、低価格戦略、全店拡大:日経MJ9/12
・牛乳・豆腐などのPB軸に

(記事の抜粋)
・ヤオコーは2013年度をめどに全店で定番商品の低価格戦略に取り組む。豆腐や牛乳など購入頻度が高い分野のプライベートブランド(PB=自主企画商品)商品を中心に通常価格を思い切った安値とする。消費税増税など将来への不安から節約志向が強まっているとみて、下限の価格帯の品ぞろえを拡充し、集客力を高める。
・26店で11年上半期にこうした価格戦略を導入したところ、客単価が下がり、7ケ月間は売上高が前年同月を下回った。だが、その後は購入点数が増えて売上高も伸び、「安さへの認知が広がれば、まとめ買いが増えることがわかった。
・このため、当初は12年度中に計62店まで広げる予定だった低価格戦略を、前倒しで82店に取り入れる方針。13年度中にも全店に拡大する。
・11年度は価格競争力のある独自商品約700品目で売上高全体の6.9%を占めたが、14年度までに8~10%まで高める計画だ。

予定される低価格商品:
・通常29円のモヤシ1袋を19円
・48円のPB豆腐(300グラム)を38円
・通常価格は168円の独自規格商品「那須牛乳」(1リットル)を158円
・500ミリリットルのペットボトル入り茶飲料が58円
・2リットル入りが99円
・ヨーグルが70グラム×4個で99円

(ヤオコー決算より)
・http://www.yaoko-net.com/index.php
・2013年3月期、第1四半期決算短信:
・特に、当第1四半期連結累計期間では、鮮魚部門など生鮮強化を図るとともに、EDLP(常時低価格販売)政策に基づいて価格対応を強化いたしました。前期1月にスタートいたしましたFSP(フリークエントショッパーズプログラム)に基づいて、カスタマーのニーズや購買行動に対応した各種の有効な販促対策、カスタマー対策を展開いたしました。
・また、5月 15 日に㈱ライフコーポレーションとの間で、商品開発、資材調達など広範な分野での業務提携の検討について合意し、その具体的な内容について協議を行なっております。
・2012年3月期本決算短信:
・当期は、第6次中計の基本方針に基づいて、以下の2点を重点テーマに掲げて取組んでおります。 ①『価格コンシャスの徹底とミールソリューションの強化』 ②『人材教育・育成と生産性の向上』
・またグロッサリー部門では、プライベートブランド商品(以下「PB商品」という。)や輸入商品を中心に商品開発・開拓を強化するとともに、EDLP(常時低価格販売)の導入・拡大を図り、定番商品の価格対応を強めると同時に、低価格商品からセミアップグレード商品までのラインアップの充実を進めました。
・特に川越的場店につきましては、生鮮強化をテーマにして、MDの大幅刷新を図りました。 平成16年に開店したワカバウォーク店以来の、自社開発の大型旗艦店として、1年前からプロジェクトチームを組成して、ミールソリューションの充実に加え価格コンシャスの強化をテーマに、新たな商品開発・売場づくりに取組んでまいりました。その結果、開店以来計画を上回るペースで順調に売上を伸ばしております。この成果を今後の新店開発・既存店改装等に活かしてまいります。
・IRプレゼンテーション資料:
・9.EDLP店舗の拡大
・値段がいつも変わらない 【安心感】 、自分の都合に合わせて買物できる 【便利】
「EDLP」 は お客さまにとって、 「安心」 ・ 「便利」 を感じていただけるヤオコーは「価格も安い」という認知の定着
・EDLP対象店舗の拡大
・EDLP実施店舗の売上伸長 (既存店昨年比との月別偏差の推移)
・4月から10月まで7ケ月間売上げがマイナス、11月以降プラスへ、1月、2月大幅プラス
・EDLP実施店舗の多くは導入当初、売上、荒利等苦戦するが、直近では既昨比を上回る。
・EDLPの効果は即時的ではなく、次第に効き目が増す。

facebook、PI研コメント
・ヤオコー、EDLPへ本格シフトです。ヤオコーといえば、高付加価値のマーチャンダイジングの代名詞ともいえる食品スーパーであり、実際、経費比率は高いが原価も安い(粗利が高い)典型的な食品スーパーです。また、ここ最近は全店にポイントカードを導入し、ID-POS分析にも取り組み、顧客へのきめ細かな対応をさらに強めています。ところが、そのヤオコーがEDLP、価格戦略へ本格シフトです。ヤオコーは、「価格コンシャスの徹底」、コンシャスはこだわるという意味ですが、価格政策へ数年前から実証実験を繰り返しており、ここ最近、効果が検証できたとのことで、これがEDLPシフトを加速する要因となったようです。
・ヤオコーは、EDLPは7ケ月後に効果が表れるといっていますが、実際、IRプレゼンテーション資料を見ると、その詳細がグラフで示されています。買上点数=ID客数×IDPI値=ID客数×ID客数PI値×PI値=客数(レシート枚数)×PI値となります。したがって、ヤオコーがコメントしているように、「価格戦略を導入したところ、客単価が下がり、7ケ月間は売上高が前年同月を下回った。だが、その後は購入点数が増えて売上高も伸び、「安さへの認知が広がれば、まとめ買いが増えることがわかった。」とは、当初はID客数、PI値は下がらなかったが、平均単価が下がり、金額PI値が下がったが、その後、ID客数PI値(購入頻度)、恐らく、S、A顧客の購入頻度が上がったのではと推測されます。EDLPはその意味でS、A顧客の購入頻度を時間とともに飛躍的に引き上げる戦略であるといえ、ID-POS分析と矛盾せず、むしろ、補完する強力な武器となることを示唆しているともいえます。そして、その価格幅をさらに広げ、地域一番の低価格を実現できれば、0顧客、Z顧客への集客にもつながり、ID客数を短期間で増やすことも可能となるといえます。今回のヤオコーのEDLPは極端に安いわけではなく、競合にミートさせる価格ですので、ID客数よりもID客数PI値に効いたと思われます。したがって、S、A顧客の購入頻度のそれなりの購入経験が必要であったため、7ケ月という時間がかかったものと思われます。


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