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April 10, 2013

顧客へ愛、顧客へ感謝、顧客へ還元!

顧客へ愛、顧客へ感謝、顧客へ還元!
・小売業もマーケティングの時代、見えてきたi D-POS分析の使命!
 
  まずは、村田先生が日経ビジネスの2008/11/03号に公表された小論、「マーケティングは「愛」、愛情なき商売から脱却を」の全文を見ていただければと思います。

マーケティングは「愛」、愛情なき商売から脱却を
 村田昭治:慶応義塾大学名誉教授

  「モノが売れないと言われて久しい。理由はいくらでも挙がります。世界的な景気低迷、賃上げの抑制、モノ余りによる需要の減退、人口減による市場の縮小…。だが、こうした外部環境だけが原因なのでしょうか。
  戦後、日本を悪くしたものが3つあります。「能率」「マニュアル」「標準化」です。商売に多くの無駄がはびこっていた時代には、これらが“3種の神器”となって、差別的優位性をもたらしました。コンビニエンスストアが成長した原動力は、まさしくこの3種の神器にあります。ですが、多くの企業が競って効率化を進めていった結果、個性のない店が蔓延し、どこの店で買っても大差ないと思われるようになりました。いわば「商売のコモディティー化」が、消費者離れを起こしたのです。
  この3種の神器がもたらしたさらなる弊害は、そこで働く人間もコモディティー化させたことです。百貨店の売り場で聞く「いらっしゃいませ」の声が、何と事務的で冷たいことでしょう。本当にその売り場の商品を薦めたい、どうしても店に寄ってほしいという気持ちが感じられないのです。
  人間のコモディティー化は百貨店全体を硬直化させます。例えば、午前10時開店ならきっちり10時にならないと扉を開けない。お年寄りが列を作って待っているのなら、なぜ5分でも早く店に入れてあげないのでしょうか。百貨店の経営不振の根っこに、お客へのホスピタリティーよりも店側の
都合や規則を優先する姿勢があるように思えてなりません。
  それは町場の商店でも同様です。「どうぞ寄ってってください」と声がけするだけではお客は来ません。「このイチゴ、昨日我が家で食べたらおいしくておいしくて。本当は売りたくないんだけど、今日は特別にお分けしますよ」というくらい思いを伝えられなければ、馴染み客を作ることはできないのです。全国で多くの商店街が廃れているのも、真の商売人が減っているからではないでしょうか。
  私の専門であるマーケティングを一言で表すと「子供を産み育てること」だと思っています。愛情がなければそもそも妊娠しないし、愛情がなければ子供は育ちません。商売も愛情をベースにしなければうまくいかないということです。お客に愛情を注げば、必ず愛情を返してくれます。これからの商売は「顧客満足=カスタマーサティスファクション」だけでは不足で、「顧客幸福=カスタマーハピネス」を追求しなければならないのです。
  私は私生活でもマーケティングを実践しています。出会った人々に心からの愛情を注ぎ、長いつき合いを保っています。これまでゼミの卒業生を中心に結婚式の媒酌人を270組ほど務めました。恐らく日本一ではないかと自負しています。ちなみに、そのうち19組が離婚しましたが、17組を再婚させました。“アフターサービス”もマーケティングの大切な要素だからです。
  日本から「商いの心」が薄れ、会社の中が乾燥化してしまったのは、経営者自身が愛情を失っているからではないでしょうか。従業員に進んで声をかけている経営者は驚くほど少ないし、自ら売り場に立ってお客に思いを伝えている経営者は皆無に近い。景気の動きに一喜一憂するのではなく、愛情の糸をもう一度紡ぎ直すところからやり直さなければ、永久に消費の回復はやってこないと感じています。」


  この村田先生の小論をひとつひとつ、ひも解いてゆきたいと思います。まずは「戦後、日本を悪くしたものが3つあります。「能率」「マニュアル」「標準化」です。」です。村田先生は日本を悪くしたものとして、3つ、すなわち、「能率」、「マニュアル」、「標準化」をあげています。商売に多くの無駄がはびこっていた時代には確かに、この3つは“3種の神器”であり、コンビニエンストアはその象徴であったといえます。

  これは、まさに、これまでのPOS分析時代の象徴、単品管理のことをいっているともいえ、商売にPOSが入り、POS分析により、能率があがり、マニュアル化が進み、標準化がなされたともいえるわけです。コンビニはいまでもそうですが、単品管理の極致にあるといっても過言ではなく、そのコンビニの単品管理を追いかける形で、食品スーパーも単品管理に明け暮れているのが現実といえます。

  そこには「愛」の入り込む余地はなく、ひたすら商品をにらみ、単品管理、すなわち、発注、仕入れ、入荷、在庫の補充、販促、販売、そして、次の発注へというサイクルを繰り返す、一連の作業をしているのが実態といえます。したがって、「能率」、「マニュアル」、「標準化」がまさに“3種の神器”となるわけです。

  その結果、村田先生は、「この3種の神器がもたらしたさらなる弊害は、そこで働く人間もコモディティー化させたことです。」と嘆きます。マーチャンダイジングはコモディティーグッズという言葉がありますが、これはコモディティパーソンとでもいってよいでしょうか。人間のコモディティー化がはじまるといえます。

  確かに、これまでのPOS分析は単品管理が目的であるといえ、そこに携わる人間も単品管理されてしまい、まさに、人間のコモディティー化がおこるわけです。残念ながら、これまでのPOS分析、すなわち、単品管理に取り組んでいる限りは、この状況から逃れるのは難しいといえます。

  そこで、村田先生は、「それは町場の商店でも同様です。「どうぞ寄ってってください」と声がけするだけではお客は来ません。「このイチゴ、昨日我が家で食べたらおいしくておいしくて。本当は売りたくないんだけど、今日は特別にお分けしますよ」というくらい思いを伝えられなければ、馴染み客を作ることはできないのです。全国で多くの商店街が廃れているのも、真の商売人が減っているからではないでしょうか。」と、「思いを伝えられなければ、馴染み客を作ることはできないのです。」と、思いを顧客に伝えること、それが馴染み客を作ることになると主張されます。

  i D-POS分析のキーワード、「お客」、「馴染み客」、「思い」が登場します。i D-POS分析は顧客をS、A、B、Zと頻度によってランク分けし、顧客の購入頻度を引きあげることがS顧客、すなわち、馴染み客になるステップであり、そのためには、顧客へ感謝し、顧客へ還元すること、すなわち、思いを伝えることが重要な政策であるととらえるからです。

  これこそ、まさに、村田先生の核心、マーケティングと愛について説いた言葉ではないかと思います。これを実際に理解し、実感するには、これまでのPOS分析では不可能であり、iD-POS分析をかけることによって、はじめて実証され、実感できるといえるわけです。

  ここ数年、iD-POS分析に取り組み、様々な商品に取り組んだことにより、まさにその通りだと実感できたといえます。本来、これがこれまでのPOS分析にも組み込まれていれば、恐らく、もっと早く、村田先生の「マーケティングは「愛」」という域に、来れたのではないかと思いますが、残念ながら、マーケティング以前のマーチャンダイジングの世界でぐるぐる回らざるをえず、袋小路に陥ってしまっていたのではないかと思います。

  i D-POS分析はその意味で、はじめてマーチャンダイジングを顧客に立脚したマーケティングへ格上げし、しかも、マーケティングと愛を顧客へ感謝、顧客へ還元することによって、結びつけたのではないかと思います。

 そして、村田先生は、さらにマーケティングと愛をわかりやすい事例でまとめてゆくことになります。「私の専門であるマーケティングを一言で表すと「子供を産み育てること」だと思っています。愛情がなければそもそも妊娠しないし、愛情がなければ子供は育ちません。商売も愛情をベースにしなければうまくいかないということです。お客に愛情を注げば、必ず愛情を返してくれます。」

  これほど、マーケティングと愛についてわかりやすいたとえはないと思います。同時に、これは、iD-POS分析にもいえることではないかと思います。この「マーケティング」を「i D-POS分析」に、「子供」を「顧客」に置き換えると、そのままiD-POS分析の解説になるといえます。

  「私の専門である、i D-POS分析を一言で表すと「顧客を産み育てること」だと思っています。愛情がなければそもそも顧客は生まれないし、愛情がなければ顧客は育ちません。商売も愛情をベースにしなければうまくいかないということです。顧客に愛情を注げば、必ず愛情を返してくれます。」

  全く違和感がない、ここ数年、iD-POS分析に取り組み、私自身も実感し、到達した領域です。今後、これをi D-POS分析の定義にしてゆきたいと思います。

  最後に、この小論では、村田先生のマーケティング観の境地が唱えられることになります。すなわち、「これからの商売は「顧客満足=カスタマーサティスファクション」だけでは不足で、「顧客幸福=カスタマーハピネス」を追求しなければならないのです。」

  顧客満足=カスタマーサティスファクションという言葉は実際、よく使われる言葉ですが、村田先生はそれでは足りないとおっしゃり、それを超え、顧客幸福=カスタマーハピネスまで追求せよといっておられます。こう考えると、iD-POS分析も、顧客へ感謝、顧客へ還元では、まだ足りない、これをさらに進め、顧客の幸福にまでつきつめてゆけということかと思います。

PI研コメント:
・「顧客へ愛、顧客へ感謝、顧客へ還元」。「商品を洗え、磨け、輝かせ」に続く、第2弾、墨字巨大パネルができあがりました。近々に公開します。今回も黎明さんに依頼しました。渾身の作です。これがi D-POS分析の極意を伝える新たなスローガンとなります。


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