ハローズの経営戦略を見る!
ハローズの経営戦略を2014年2月期、本決算から見る!
・http://www.halows.com/file/sinchaku/270_0.pdf
目標とする経営指標:
・当社の経営上の目標指標は、総資産経常利益率(ROA)であります。当社は、この指標を達成するため、売上高経常利益率及び総資産回転率の向上を目指しております。
・売上高経常利益率におきましては、高収益商品の開発、情報システム及び物流システムの改革並びに固定費の削減等に取り組み、売上高経常利益率4.0%を目指しております。
・また、総資産回転率におきましては、用地の取得形態を賃借物件3に対し、取得物件1の割合を基準とし、主に事業用定期借地契約を行うことにより、新規出店に伴う設備投資額を抑え、総資産回転率2.5回を目指しております。
・以上の取り組みにより、当社は、当業界内で高い水準の売上高経常利益率を確保しつつ、資産を有効活用したうえで、総資産経常利益率10%以上を目指してまいります。
ポイント:
・ROA1=経常利益率×総資産回転率=(経常利益高/売上高)×(売上高/総資産)=経常利益高/総資産
・現状:3.37%×2.00=6.7%
・ROA2=自己資本比率×ROE=(純資産/総資産)×(経常利益高/純資産)=経常利益高/総資産
・現状:35.66%×18.99%=6.7%
中長期的な会社の経営戦略:
・当社は、広島県、岡山県、香川県、愛媛県、徳島県及び兵庫県の瀬戸内沿岸部で、標準化した店舗によるドミナント化(一定の地域に集中して出店すること。)を目指しております。
・出店形態は、より競争力を高めるために、標準化した売場面積450坪型及び600坪型の24時間営業食品スーパーマーケットを主力業態としてまいります。
・また、より買物の利便性を高めるために、生活に密着した店舗を同じ敷地内に誘致して、NSC(近隣購買型ショッピングセンター)化の比率を高めてまいります。
・り」を目指してまいります。
出店における課題:
・広島、岡山、香川、愛媛及び徳島商勢圏に続き、兵庫商勢圏でのドミナント化を確立してまいります。業態に関しましては、主にサバブ(郊外住宅地域)に出店する売場面積600坪型及びアーバン(都市住宅地域)に出店する売場面積450坪型の標準化したフォーマットを確立してまいります。また、買物に便利な商業集積地として、異業種と複合化したオープンモール型のNSC化と商圏内ベスト立地の確保に引き続き取り組んでまいります。
商品における課題:
・新鮮・安全・安心な生鮮食品、出来たて、おいしさをともなった惣菜等の調理済み食品、品質が高く、低価格なドライグロサリー食品及び当社プライベートブランド商品であります「ハローズセレクション」を販売計画及びカテゴリーマネジメントに基づいて提供してまいります。「ハローズセレクション」は積極的に開発を進めて充実を図り、顧客満足度の更なる向上を目指してまいります。
・開発商品、仕入商品の安全・安心に関しましては、社内自主衛生基準に基づく工場調査を継続的に実施してまいります。
・ 商品の物流面に関しましては、早島物流センターを基軸に、坂出低温センター等の物流網を有効的に活用し、商品の安定供給と物流の効率化を推進してまいります。
店舗運営における課題:
・店舗における商品補充、生鮮品の加工、清掃等の業務が時間帯ごとに明確化された「24時間店舗運営システム」、24時間営業の商品・資材の提供を支援する「24時間物流システム」、そして顧客ニーズと各業務システムを連携する「24時間情報システム」をさらに高度運用することにより、労働生産性の向上、品切れによるチャンスロスの防止、売れ残り等のロスの削減、ローコスト・オペレーションの確立に努めてまいります。また、安全な商品を安心して購入していただくために、店舗衛生検査、表示チェックなどを強化し、適正な鮮度、品質、表示を継続してまいります。
組織における課題:
・昇格制度や業績評価制度及び報奨金制度等のインセンティブを導入し、志気向上を促すとともに、各種研修プログラムの充実を図り、人材育成に力を注いでまいります。また、今後の出店にともない、店長・副店長及び主任の早期育成並びにパートタイム社員の戦力化を図ります。さらに、営業力の強化のため、経験者の採用及び嘱託社員制度の運用により、優秀な人材の確保にも努めてまいります。
・環境保全における課題 :
・新規店舗及び既存店舗での省エネ設備導入、店舗での電気使用量削減活動による省エネへの取り組み、食品リサイクル活動、エコセンターを活用した容器等の資源リサイクルを推進し、環境負荷の低減に努めてまいります。
PI研のコメント:
・食品スーパー、ドラックストアの全上場企業すべての決算をこの数年間見続けていますが、その中でもっとも充実した決算、経営戦略を鮮明にした決算はハローズかと思います。経営は財務3表、P/L、BS、CFで表すことができますが、ほとんどの決算書はP/L重視であり、瞬間の数字を目標にしているケースが多いのですが、ハローズはROAですので、P/L×B/S、そして、CFにまで踏み込み、経営戦略を明確にしています。ROAを経営目標にする食品スーパーはいくつかありますが、ハローズのように、ROAの目標を経常利益率×総資産回転率に落とし、それぞれの達成目標とその具体的方針にまで言及している決算書は皆無です。さらに、そのためのNSC、店舗、商品、組織、物流、ドミナント戦略にまで踏み込む決算書は全上場企業の中でも珍しいといえます。それだけ、経営戦略が明確であり、その通り、ぶれずに経営が実践されているからだと思います。ただ、気になるのは純資産比率35.66%の低さであり、ここが今後、50%近くまで改善されれば、ROAの目標10%は可能といえます。現在、ハローズは中長期の経営目標達成のため先行投資がかさんでいますので、有利子負債も多く、総資産を圧縮しにくい状況にあると思います。今後、瀬戸内海戦略が軌道にのり、厳しい競合企業との競争に打ち勝つことができれば、自然、純資産比率の向上は見られると思いますが、それまでは、この厳しい局面が続くのではないかと思います。そのひとつの鍵を握るのが100店舗の大台かと思いますが、いつ、ハローズがその100店
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3.2013年度版、食品スーパー・ドラックストア財務3表連環分析、vol1、リリース!
*2014年度版、現在、鋭意制作中!
*食品スーパー・ドラックストア、全上場企業約100社のP/L、CF、BSを連環分析!
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