資生堂、2014年3月本決算、増収増益、駆け込み需要?
資生堂、2014年3月本決算、増収増益、4/25!
・http://www.shiseidogroup.jp/
・http://www.shiseidogroup.jp/ir/pdf/ir20140425_847.pdf
・http://www.shiseidogroup.jp/ir/pdf/ir20140425_852.pdf
・http://www.shiseidogroup.jp/ir/pdf/ir20140425_843.pdf
・http://www.shiseidogroup.jp/ir/pdf/ir20140425_849.pdf
CF関連:キャッシュの配分:
・営業活動によるキャッシュ・フロー:843.20億円(昨年 420.40億円)
・投資活動によるキャッシュ・フロー:△167.99億円(19.92%:昨年△255.34億円)
→有形固定資産の取得による支出:△179.64億円(昨年△187.63億円)
・財務活動によるキャッシュ・フロー:△474.62億円(昨年 △247.45億円)
→長期借入金の返済による支出:△524.96億円(昨年△59.94億円)
・現金及び現金同等物の増減額(△は減少):299.10億円 (昨年 △27.21億円)
B/S関連:キャッシュの蓄積
・自己資本比率 42.2%(昨年 40.1%)
・現金及び預金 957.74億円(総資産比 11.95%)
・たな卸資産 902.44億円(総資産比 11.26%)
・有利子負債 1,599.16億円(総資産対比 19.45%)
・買掛金 509.45億円(総資産比 6.35%)
P/L関連:キャッシュの創出:
・売上高 7,620.47億円(12.4%)、営業利益 496.44億円(90.6%)、経常利益 514.26億円(81.0%)、当期純利益 261.49億円
・原価 24.87%(昨年 24.60):+0.27、売上総利益 75.13%(昨年 75.40%):-0.27
・経費 68.61%(昨年 71.54%):-2.93
・営業利益:6.52%(昨年 3.86%):+2.66
・国内売上高 3,772.72億円(構成比49.5%)、海外売上高 3,847.74億円(構成比 50.5%)
資生堂のコメント:
・当社は、2011 年度より“成長軌道に乗る”をテーマとした3カ年計画を推進してきました。長引く欧州の金融危機や尖閣諸島問題に端を発した中国での事業環境の悪化などを受け、2012年度中に“市場と同程度の売上成長でも着実に利益を拡大できる高収益構造”をめざす方向に軌道修正を行いました。その中迎えた 3カ年の最終年度である 2013年度は、“成長の行く手を阻む経営課題の一掃に向けて徹底した選択と集中を進め、持続的な成長への道筋をつける年”と位置づけ、コスト構造改革と事業構造改革の継続や店頭在庫水準の適正化に向けた取り組みへの着手、不採算・低収益事業の健全化などに取り組むとともに、国内外において強く・大きく・収益性の高い領域に資源を集中して投入し、特に日本、中国、及び「ベアエッセンシャル Inc.」の 3つの領域を重点強化しました。
・当期の連結売上高は、前期比 12.4%増の 7,620 億円となりました。国内売上は前期比 1.1%増、海外売上は前期比 26.4%増となりました。営業利益は、売上増に伴う差益増や為替影響に加え、全社をあげてのコスト構造改革や費用の効率運用を継続したこと、国内において賞与および年金費用などの人件費が減少したことなどから、前期比 90.6%増の 496 億円となりました。
・国内化粧品事業:
・国内化粧品事業の売上高は 3,497 億円(前期比 1.1%増)となりました。化粧品事業では、店頭売上の拡大に集中した活動に取り組み、特にプレステージ領域を強化しました。店頭在庫水準の適正化に向けた在庫回収を実施しましたが、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の影響が想定以上に大きく、前期を上回る売となりました。また、ヘルスケア事業も前期を上回る売上となりました。
・昨年課題を残したシニア世代のお客さまへの対応については、Web と既存の店舗を融合した次世代ビューティーソリューションサービスサイト「watashi+」の中にシニアのお客さま専用のサイトを設けたほか、専用フリーダイヤルの設置や専用タブロイド紙「きらめき Ms.通信」の発行、自分らしい輝きを発見し、楽しく美容をマスターしていただくためのセミナー「きらめきマスターサロン」の開催など、さまざまな活動を実施しました。
・成長の行く手を阻む経営課題の解決に向け、店頭在庫水準の適正化に着手し、店頭売上を基点とした事業マネジメント革新など、二度と在庫を溜めない仕組みの構築を進めるとともに、生産終了品や在庫率の高い商品の回収など、在庫の整理に取り組みました。
・グローバル事業:
・グローバル事業の売上高は、為替レートが円安傾向で推移した影響もあり、4,022 億円 (前期比 24.8%増)、現地通貨ベースでは前期比1.4%増となり、化粧品事業、プロフェッショナル事業ともに、前期を上回る売上となりました。
・最重点市場である中国では、尖閣諸島問題に端を発した当社製品の買い控えなど、厳しい事業環境からは徐々に回復しつつあるものの、店頭在庫水準の適正化のために出荷を調整したことなどもあり、売上は現地通貨ベースでは前年をわずかに下回り、円ベースでは為替影響により前年を上回る結果となりました。
中長期的課題:
2014 年度は、マーケティングのプロフェッショナルとして外部から招聘した魚谷社長が率いる新たな経営体制で次なる成長に向けた準備に集中する年と位置づけ、“お客さま起点のマーケティング実行力とブランド力の強化”、“組織と企業風土の革新”、“経営基盤の強化”という大きな課題に取り組むとともに、持続的な力強い成長に向けて新たな中期経営計画を構築してまいります。併せて、すでに実行に移している構造改革も滞りなく進め、2015年度からの新中期経営計画の実行につなげます。
・消費税増税に伴う駆け込み需要影響:
・店頭売上増:約140億円(販社卸売上金額ベース)、販社売上増約120億円
・2014年度への反動影響は約80億円と見込む
・今後、どんな経営指標を重視するのか。:
・売り上げを伸ばし、次の投資に向けたキャッシュを創出するために財務指標を重視するのはもちろんだが、ビジネス規模や顧客ロイヤリティーをはかる意味で顧客接点に関する指標(購入人数、購入頻度など)も重視したいと考えている。
資生堂の株価:
・http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=4911.T
PI研のコメント:
・資生堂が4/25、2014年3月期の本決算を公表しました。3月期決算ですので、消費増益の駆け込み需要が気になるところですが、その影響は「店頭売上増:約140億円」とのことです。実際、P/Lも大幅な増収増益であり、特に、利益の方が経費比率が大幅に下がり、大きく改善しています。昨年の在庫問題が見えにくくなっていますが、4月以降の消費増税の反動がどう影響するかによると思われます。資生堂は海外事業が50%を超え、グローバルカンパニーであり、今期はそのグローバル事業が国内事業の前期比 1.1%増をカバーし、24.8%増となったことが全体を牽引したといえます。結果、キャッシュフローも倍増、豊富なキャッシュを産み出しています。ただ、今期は成長戦略よりも、有利子負債の削減など、財務改善にキャッシュを配分したため、国内事業が伸び悩んだといえます。「マーケティングのプロフェッショナルとして外部から招聘した魚谷社長」ですが、決算説明会で「顧客接点に関する指標(購入人数、購入頻度など)も重視したい、・・」と答えており、マーケティングの評価指標も今後、売上高、利益高に加え、顧客視点が重視されると思われます。来期、資生堂、魚谷社長体制のもと、消費増税の反動をどこまでカバーできるか、その動向に注目です。
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