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June 26, 2014

バスケット金額の妙!

バスケット金額って何?

バスケット金額は2つある?
・通常バスケット金額というと、商品に焦点が当たり、対象商品のバスケットの中味を分析することであると考えられている。ところが、バスケット金額には、もうひとつのバスケットがあり、顧客に焦点を当てるバスケット金額がある。
・一見、この2つのバスケット金額は同じように見えるが、実は似て非なるものであり、実際の数値も大きく違う。ここでは、この2つのバスケット金額の違いを改めて考えてみる。その違いを明確にするため、前者を商品バスケット金額、後者を顧客バスケット金額と名付ける。

商品バスケット金額の算出方法:
・商品バスケット金額は商品に焦点を当てており、文字通り、対象商品のバスケットをすべて集め、その中身を金額面から分析することにより、バスケット金額を算出することである。ごく単純にいえばすべてのバスケットを対象商品と非対象商品に分けて、対象商品のみを分析対象にし、その中身を金額面から算出することにあるといえる。
・ちなみに、この応用編として、併買分析がある。その対象商品のバスケットの中身をさらに商品面から分析し、ある特定の商品が入っているバスケットのみを抽出すると、対象商品とある特定商品のバスケット数が分かり、その比率を分析することによって、対象商品とある特定商品との関係の深さを推し量ることができる。
・さらに、この数値を対象商品の全体バスケットとの比率で割ると、リフト値が算出される。また、ある特定商品を、次の特定商品と次々に特定商品を変えることにより、対象商品との関係の深い特定商品を次々に見つけだすことができ、そこにリフト値をとると、対象商品と特定商品との相関図ができあがる。

顧客バスケット金額の算出方法:
・これに対して、顧客バスケット金額は商品バスケット金額とは全く視点の違う分析であり、そのアプローチ方法も独特である。商品バスケット金額は、対象商品のバスケットのみに注目するが、顧客バスケット金額は顧客に視点があるため、その顧客が購入している全商品を対象とするため、同じバスケット金額でも、対象範囲が異なる。異なるというよりも、広くバスケット金額をとらえることができ、顧客の本当のバスケット金額を算出することができる。しかも、そのバスケット金額を商品視点からのみならず、顧客視点を導入して算出することが可能となる。
・商品バスケット金額の対象範囲は対象商品が入っているバスケットのみであるが、顧客バスケット金額は対象商品が入っていなくとも、その顧客が購入したバスケットはすべて対象バスケットとなり、これまで分析対象となっていなかったバスケットも分析対象となる。このバスケットは商品視点の分析では見ることも、触ることもできないバスケットであり、このステルスバスケットも実は、顧客にとっては重要なバスケットである。したがって、このステルスバスケットをも対象とすることにより、顧客視点での真のバスケットを認識することができる。
・特に、マーケティング視点ではこのステルスバスケットは重要なバスケットであり、この2つを区分し、その関係を分析することで、リフト値同様の新たな視点、指標を導入することが可能となる。

顧客バスケット金額の一部が商品バスケット金額:
・したがって、商品バスケット金額は顧客バスケット金額のほんの一部であり、顧客視点が抜けているため、商品と商品との関係のほんの一側面を見ているに過ぎない分析であるといえる。バスケット分析は本来、顧客視点で分析することが正しく、さらに、その中身を対象商品が入っているバスケットと入っていないバスケットに区分し、その違いを見極めることがポイントといえる。
・顧客は対象商品を購入する場合もあれば、購入しない場合もあり、顧客視点からいえば、対象商品の購入顧客を分析するのであれば、対象商品の購入顧客が購入するバスケットすべてを分析対象とし、そこから様々な分析を行うことが、重要な視点といえる。

顧客バスケット金額の2つの優位性:
・では、顧客バスケット金額の商品バスケット金額と比べた場合の優位性はどこにあるかであるが、まずは、商品バスケット金額は顧客バスケット金額のほんの一部でしかないことである。すなわち、この2つは部分集合の関係にあり、商品バスケット金額は顧客バスケット金額に完全に包含される。
・バスケット金額の真実を知るには、顧客バスケット金額をまずは算出することであり、そこからバスケット金額の様々な分析がはじまり、その分析成果のひとつが商品バスケット金額であるといえる。
・これが顧客バスケット金額の優位性のひとつである。
・そして、もうひとつは顧客バスケット金額は量という視点だけでなく、質という視点を導入することが可能となる。ここでいう質とは顧客の違いを分析対象に加えることが可能となるということである。顧客DNAを含む様々な顧客属性面からの分析はもちろん、それ以上にF(頻度)面からの分析も可能であり、対象商品を年間1回しか購入しない顧客、年間数10回購入する顧客など、様々なF(頻度)での分析も可能となり、対象商品と顧客との関係をこのような視点から、しかも、質の高いバスケット金額を算出することができ、その結果を的確な精度の高いマーケティング戦略に活用することが可能となる。

2つのバスケット金額は混同されている!:
・残念ながら、現在のバスケット金額は商品バスケット金額のみが注目され、顧客バスケット金額への視点が不十分であり、仮に、顧客バスケット金額が算出された場合も、その違いが十分に認識されていないため区別がされていないのが現状である。
・今後、顧客視点をマーケティング戦略に活かしてゆくには、バスケット金額をもう一度見直し、まずは顧客視点からバスケット金額を算出し、その顧客バスケット金額を様々な視点から分解し、マーケティング戦略に活用してゆくことが望ましいといえよう。また、その方がより効果的な成果が期待できよう。

PI研のコメント:
・6/23、日経MJにエバラ食品工業の焼肉のたれ、特に、「黄金の味」を特集した全面広告が掲載されました。その中で、バスケット金額が取り上げられていましたが、このバスケット金額は商品バスケット金額なのか、顧客バスケット金額なのか、どちらなのだろうと気になりました。一見すると商品バスケット金額、すなわち、たれを購入するバスケットのみを抽出して算出しているのかと思いましたが、その算出根拠がiD付POS分析であるとのことで、顧客バスケット分析であることが分かりました。したがって、この数値はたれを購入された全顧客の全商品を分析対象としており、商品分析ではカバーできない、顧客のバスケットも加味され、しかも、対象期間が1年であるため、たれと顧客との中長期に渡る本当の姿が映しだれた数値であることがわかりました。いかに、たれは顧客1人1人の食生活と関係が深いかがマクロでわかるといえ、興味深いiD付POS分析の広告への応用といえます。今後、この数値をさらにマーケッティング戦略に活用してゆくには、この顧客IDをさらに分解し、たれを購入した時と購入しなかった時の違い、たれの購入者をF(頻度)で分けての分析、さらに、たれの購入者を様々な属性で見た時の分析、時間軸で見た時の分析等に落とし込むと、より質の高いマーケティング戦略への応用ができるのではないかと思います。エバラ食品工業の、この広告効果がどのような成果を産むか、気になるところです。

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