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August 10, 2014

ベインジアンネットワークモデルとiD付POS分析、その2!

人工知能学会論文誌 26 巻 6 号 D(2011 年)の論文を読み解く!
・日常購買行動に関する大規模データの融合による顧客行動予測システム
・実サービス支援のためのカテゴリマイニング技術

・https://staff.aist.go.jp/takenaka-t/5075626C69636174696F6E_reD-B61takenaka.pdf

ベインジアンネットワークとは:
・ここでは,ベイジアンネットワークにより,商品の特徴や購買された状況とカテゴリの関係をネットワーク構造で図示することにより,情報量規準の基で意味のある変数間関係を自動抽出することができる.また,その変数間の確率構造から,定量的な関係理解を実行できる.イジアンネットワークは対象とする確率変数のノードと変数同士の依存関係を確率的なネットワークとしてモデル化したものである.
・その確率ネットワークはグラフ構造として表現することが可能で,視覚的に表現・理解し易く,グラフィカルモデルによる確率推論の手法を直接応用することができる.また,そのグラフ構造は情報量規準などによりデータから自動的に探索・構築することも可能であるし,設計者の経験や物理的・社会的な法則をモデル内に取り込み柔軟に決定することも可能である.グラフ構造が決定すると,そのモデルの同時分布はリンクが張られている変数間の条件付き確率の積として表現することが可能である.その条件付き確率は条件付き確率表としてデータから学習することができる.確率伝搬法,LoopyBP などの確率推論のアルゴリズムを用いることで,ある変数にエビデンスを与えたときの事後確率の計算や感度分析などが実行可能となる.このように柔軟な確率モデルでは,顧客の購買状況を計算論的に変数として取り扱うことが可能である.そのため,ベイジアンネットワークを用いた生活者行動理解の研究は広く行われるようになってきている.

本論文の結論:
・ここでは対象となっている約 420 万件のトランザクションデータを用いてベイジアンネットワークモデルを構築した.各商品に対して購入した顧客に対し,合計購入数,合計金額,購入平均単価,特定保健用食品(トクホ)購入回数,プライベートブランド購入回数,国産品購入回数,健康食品購入回数,お手軽品購入回数,高級品購入回数,ダイエット的商品購入回数,お買い得商品購入回数に関しては対象店舗の顧客に対して ABC 分析を行い,その結果をラベルとして付与した.また,6 種類のライフスタイルカテゴリ属性と 12 種類の潜在商品カテゴリ属性のラベル,状況変数(購買の時間帯,平日か休日,季節,月旬)を付与した.そのデータに対してベイジアンネットワーク構築ソフトウェアである Bayonet を用いて,Greedy search により AIC の意味で最適になるような確率構造の探索を行った.その結果,図 6 に示すようなベイジアンネットワークモデルが構築された.カテゴリ生成と同じ計算機環境で,モデル構築の計算時間は45 時間 58 分であった.
・潜在商品カテゴリに対する顧客行動理解の一例:
・ここでは,潜在商品カテゴリ 12 に着目する.図 7 に構築したベイジアンネットワークの部分グラフとカテゴリ 12 に関する購買の条件付き確率を示す.カテゴリ 12はお手軽品と調味料,夏と夜からリンクが張られている.また,図中の破線はカテゴリ 12 の 1 年を通した被購買確率を示している.図よりカテゴリ 12 の商品は夜に多く購買され,特に夏の夜には平均被購買確率よりも約 3.5ポイントも高い被購買確率を示している.このように確率構造モデルを利用することで,生成された潜在商品カテゴリ対して,付加的な情報を抽出することが可能となり,状況依存的な商品被購買の予測が可能となる.

考察:
・多くの小売業では,ID-POS データに代表される大規模データの有効活用が望まれている.しかしながら,その利用が進まない背景には,日々の業務に労働時間の多くを費やしていることや,大規模データを取り扱うことができる専門家の人材不足などがある.
・本論で示した方法論は,そのような実際のサービス現場で使用できるシステムとして構築することが十分に可能であり,そのための作業は現在進行中である.
・ベイジアンネットワークでは確率伝搬法などによる確率シミュレーションの実行も可能である.サービス提供者が知りたい状況を設定した顧客購買行動の確率シミュレーションを実行することで,その状況下での顧客行動の予測を行い,その行動に適合したサービス提供を実施できる可能性がある.そのような実店舗への介入実験は今後の課題とする.

PI研のコメント:
・広島モデルの話、番外編があるかもしれませんが、一応、これで完結です。この論文は2011年のものですので、いまから3年前です。考察にもあるように、「実店舗への介入実験は今後の課題とする」とのことですので、まさに、これが2015年度の広島モデルへの伏線といえます。しかも、広島モデルはイオンを含め、広島の地元有力企業も加わりますので、この時のコープこうべの年間データをはるかに超える規模と広がりでの実証実験になります。アンケート調査もより大規模なものが予想され、この時の実証実験ではできなかった「その行動に適合したサービス提供を実施できる可能性」を、可能性ではなく、実際に実施するのではないかと想定されます。iD付POS分析はまさに膨大なBig Dataですが、これにベインジアンネットワークがアンケートと組み合せて連動することにより、視覚的にもわかりやすく、さらに、「状況依存的な商品被購買の予測が可能」ですので、様々な条件設定時の消費者行動を予測することも可能といえます。実は、ほぼ同じ条件設定確立のグラフはダンハンビーの特許にも組み込まれており、ダンハンビーもベインジアンネットワークを充分に研究していると思われます。今後、iD付POS分析は必然的にこのベインジアンネットワークを組み込んでゆくのではないかと思います。恐らく、広島モデルがその可能性を示すのではないかと予想され、その成果を期待したいところです。なお、この論文の「図 6: 構築したベイジアンネットワークモデル」、678ページ、壮観なネットワーク図が掲載されています。まる1日、見ていても飽きない図ですので、是非、ご覧ください。

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