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May 14, 2015

ヤオコー、2015年3月本決算、増収増益、脱ヤオコーへ!

ヤオコー、2015年3月、本決算、5/11
・http://www.yaoko-net.com/
・http://contents.xj-storage.jp/xcontents/82790/db9e017f/8f20/4f04/aefe/9d8401a50aea/140120150427453215.pdf

CF関連:キャッシュの配分:
・営業活動によるキャッシュ・フロー:177.50億円(昨年158.59億円)
・投資活動によるキャッシュ・フロー:△139.18億円(78.41%:昨年△198.50億円)
  →有形固定資産の取得による支出 :△196.88億円(△272.15億円)
・財務活動によるキャッシュ・フロー:△61.05億円(昨年73.79億円)
・現金及び現金同等物の増減額(△は減少):△22.73億円(昨年33.87億円)

B/S関連:キャッシュの蓄積
・総資産:1,336.28億円
・自己資本比率:46.0%(昨年 43.2%)
・現金及び預金:68.15億円(総資産比 5.09%)
・有利子負債:242.74億円(総資産比 18.16%)
・買掛金:181.53億円(総資産比 13.58%)
・利益剰余金 :606.28億円

P/L関連:キャッシュの創出:
・営業収益:3,073.54億円(12.1%)、営業利益:134.70億円(12.3%)
・経常利益:133.42億円(12.7%)、当期純利益:78.34億円(10.2%)
・原価:71.62%(昨年 71.64%):-0.02、売上総利益:28.38%(昨年 28.36%):+0.02
・経費:28.54%(昨年 28.45%):+0.09
・マーチャンダイジング力:-0.16%(昨年-0.09%):-0.07
・その他営業収入:4.75%(昨年4.67%):+0.08
・営業利益:4.59%(昨年 4.58%):+0.01

ヤオコーのコメント:
・当連結会計年度につきましては、第7次中期経営計画の最終年度として「豊かで楽しい食生活提案型スーパーマーケット」の更なる充実を図るため、「チェーンとして明らかに差をつける」をメインテーマに掲げ、「ミールソリューションの充実」と「価格コンシャスの強化」による商圏シェアの拡大に取組んでまいりました。セグメント別の業績は次のとおりです。
・スーパーマーケット事業:
・販売面につきましては、「ヤングファミリー層」(子育て世代)のお客さまの支持拡大を図るべく、EDLP(常時低価格販売)政策を展開するとともに、消費税増税後の4月からは、「いい値!なっ得!」などの新しい販促企画も開始し、今まで以上に価格対応を強化いたしました。また、ターゲットを明確にした販促企画の充実など、FSP(フリークエントショッパーズプログラム)を活用した各種マーケティング施策を展開しました結果、既存店の売上高は増加いたしました。
・商品面につきましては、「Yes!YAOKO」(当社独自のプライベートブランド)と「star select」(株式会社ライフコーポレーションとの共同開発プライベートブランド)の商品開発に注力しました。また、埼玉県東松山市に「デリカ・生鮮センター」を開設、6月16日より稼働いたしました。
・店舗の運営につきましては、モデル店舗での取組みを「横展開」することで、全店での生産性向上に努めるとともに、システム導入による作業負担軽減の取組みにも注力いたしました。電気料金の値上げに対しては、前期に引き続き電力使用量の抑制に全店で取組むほか、各種経費削減にも取組んでおります。
・店舗につきましては、5月にミノリア稲毛海岸店(千葉県千葉市)、6月に秦野店(神奈川県秦野市)、相模原光が丘店(神奈川県相模原市)、7月に鴻巣免許センター前店(埼玉県鴻巣市)、11月にララガーデン春日部店(埼玉県春日部市)、八潮店(埼玉県八潮市)、12月に志木本町店(埼玉県志木市)、1月に南流山店(千葉県流山市)、3月に川越西口店(埼玉県川越市)の9店舗を開設いたしました(平成27年3月末現在142店舗)。また、既存店10店舗の改装を行ないました。オープンから10周年を迎えたショッピングセンター「ワカバウォーク」につきましては、当社店舗のみならずショッピングセンター施設全体の改装も実施いたしました。
・次期の見通し:
・次期から始まる3ヵ年の第8次中期経営計画では、「スーパーではなく『ヤオコー』と呼ばれる存在へ」をメインテーマに、「圧倒的な商品づくり」、「機械化・IT化の推進」、「人材が育つ仕組みづくり」、「首都圏ドーナツエリアでのシェアアップ」の4つの重点施策を柱として取組んでまいります。
その初年度である次期は、以下の3つの改革を最重点テーマに掲げております。
・イ 業務の改革:
・採用・育成の拡充、生産性向上取組みの横展開、機械化とデリカ・生鮮センター及びアウトソーシングの活用
・ロ 商品の改革:
・旬・主力商品の味・鮮度での信頼向上、商品開発・育成の推進、価格コンシャスの拡充、接客意識の向上
・ハ 「働き方」の改革:
・目標設定とフィードバックの充実、人材育成の体系化、健康経営の推進、ダイバーシティの強化「ミールソリューションの充実」と「価格コンシャスの強化」をベースに、上記の取組みをより充実させることで、お客さまの「豊かで楽しい食生活」の実現を通して、商圏シェアの拡大を目指してまいります。

ヤオコーの株価:
・http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=8279.T

PI研のコメント:
・ヤオコーが5/11、2015年3月期の本決算を公表しました。結果はすべての指標が2桁増となる増収増益の好決算です。営業収益もはじめて3,000億円を突破、特に、今期は9店舗の新店を出店し、既存店も10店舗改装、キャッシュフローも営業キャッシュフロー以上のキャッシュを新店投資に充てており、攻めの決算といえます。一方で、財務キャッシュフローにも配分、有利子負債が改善しており、自己資本比率が46.0%と、昨年の43.2%から改善しています。気になるのは経費増であり、経費比率28.54%と、昨年よりも0.09ポイントアップ、食品スーパー業界の平均約25%を大きく上回っており、高い水準にあることです。結果、原価も低く抑えた付加価値の高い商品戦略を採用せざるをえない面があり、ヤオコーの目指す、「ミールソリューションの充実」と「価格コンシャスの強化」、特に価格面での取り組みが十分に打ち出しにくい点です。付加価値の高いミールソリューションとどう相殺し、価格政策を打ち出せるかが課題といえます。ヤオコー、来期は、「「スーパーではなく『ヤオコー』と呼ばれる存在へ」をメインテーマ」を掲げ、脱ヤオコーを目指すとのことです。首都圏でのシェアアップをめざし、商品、IT、人材に一層の投資をしてゆくとのことです。首都圏はイオングループ、セブン&アイHをはじめ、異業種も交え、競合状況がより一層厳しくなってゆくなか、ライフコーポレーションとの業務提携を含め、どのような成長戦略を打ち出すのか、注目です。

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