伊藤レポート、番外編:ROEのデュポン分解!
伊藤レポート:最終報告書
・「持続的成長への競争力とインセンティブ、~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト
・http://www.meti.go.jp/press/2014/08/20140806002/20140806002-2.pdf
・http://www.meti.go.jp/press/2014/08/20140806002/20140806002.html
図4:ROE の分解事例:
・①~③はデュポン分解として知られる3要素分解
・①(当期純利益/売上高)×②(売上高/総資産)×③(総資産/株主資本)
①純利益率:当期純利益/売上高
・税前利益率
・法人実効税率
→売上高粗利率
→→限界利益率
→→単価(売価)
→→数量効果
→→ロイヤリティ収入
→売上高原価率
→→売上高減価償却費率
→→単価(原価)
→→数量効果
→→稼働率
→→価格ヘッジ(原材料、燃料、為替等)
→売上高販管費率
→→営業費用・管理費用
→→→一人当たり売上高
→→→一人当たり営業利益
→→→販促費
→→→広告宣伝費
→→→契約更新率(継続率)
→→→外部委託(アウトソース)
→→研究開発費
→→→インライセンシング
→→→ライセンスアウト
→営業利益率
→EBITマージン
→EBITDAマージン
②売上高資産回転率:売上高/総資産
・売上高流動資産回転率
→在庫回転日数
→→リードタイム
→→日販
→→既存店売上
→→受注残
→→在庫処分、廃棄
→現金回収サイクル
→→売掛金回転日数
→→買掛金回転日数
・売上高固定資産回転率
→稼働率
→歩留り
→設備投資(能力増強、メンテナンス)
→床面積当たり売上高
③財務レバレッジ:総資産/株主資本
・有利子負債比率
・有利子負債/EBITDA
・インタレスト・カバレッジ・レシオ
・コアTier1比率
・外貨調達
PI研のコメント:
・伊藤レポート番外編です。デュポン分解にもとづく、ROEを3要素に分解したものです。伊藤レポートでも、このデュポン分解を採用しており、ROE=(当期純利益/売上高)×(売上高/総資産)×(総資産/株主資本)としています。このデュポン分解ではさらに、細分化し、現場の指標にまで落とし込んでいます。ここまで落とし込むと、ROEは投資家、経営者の指標から、現場のKPIへと落ちるといえます。結果、ROEの数値を現場から変えることも可能となり、まさに、投資家=経営者=現場が一体となって改善してゆくべき指標となるといえます。ただし、気を付けなければならないことは、掛け算で結合された要素は、一般的に逆相関である場合が多く、双方を同時に引き上げることは至難の技であることです。場合によっては、一方を下げ、もう片方をあげて、全体を引きあげる場合もあるということです。特に、ROEのデュポン分解のように、3つの場合はさらに複雑で、数10パターン考えられますので、最適なパターンを簡単には導けないといえます。恐らく、スーパーコンピュータによるシミュレーションが必要かと思います。したがって、現場の指標に関しては、それぞれの相関関係をよく吟味する必要があります。ROE、奥が深いですね。
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