CRMの実践的方法の一考察、「刈込平均値」の活用!
「刈込平均値」の視点から見る、商品と顧客との関係:
1.商品と顧客の関係はロングテール:
・商品と顧客との関係を長期間分析すると、膨大なZ顧客(頻度1.0回)がどのような商品にもみられる。比較的頻度の高い生鮮食品でも、約50%はZ顧客で占められており、この膨大なZ顧客が全体像を把握することを困難にしている。ちなみに、グロサリーでは70%、80%のZ顧客で占められる商品も多々ある。
・したがって、商品と顧客の全体像を把握するには、この膨大なZ顧客を除外して考えることが重要なポイントである。
・このZ顧客をトライアル顧客といってもよいが、見方を変えれば離反顧客ともいえる。
2.リピート顧客は3つに分かれる:
・Z顧客を除くと残りの顧客は2.0回以上購入している顧客であり、いわゆるリピート顧客である。
・ところが、このリピート顧客を長期間分析すると、B顧客(頻度2.0回)がZ顧客ほどではないが、かなりの人数いることがわかる。一方、S顧客(頻度最大級)の顧客も一定比率いることがわかる。なお、残りのリピート顧客をA顧客(平均的な頻度)とする。
・したがって、リピート顧客は大きく、SAB顧客の3つに分けることができる。
3. 「刈込平均値」 の応用:
・そこで、このSABのリピート顧客のSとB顧客を除外、すなわち、刈り取ると、A顧客のみが残り、その平均値を算出すると、商品と顧客の 「刈込平均値」の算出が可能となる。
・結果、この「刈込平均値」が商品と顧客との関係をもっとも良く反映しているのではないかという仮説が成立する。
・この仮説を実証するには、膨大なデータをもとに統計学的に検証することが必要である。
参考:実践への活用ポイント
・このA顧客をさらに、刈込平均値-、刈込平均値+に分け、特に刈込平均値-への施策を検討、実施することにより、商品の購入顧客全体の山を動かすことができるのではないか?
・従来は、0からZ顧客を産みだし、S顧客への手厚いフォローが最優先課題といえたが、これに加え、「刈込平均値」を活用したA顧客への施策が商品と顧客の全体構造を大きく変化させる上において、より重要な戦略となるのではないか?
PI研のコメント:
・日銀がCPIに有効な指標として、「刈込平均値」を採用、今後、この指標を毎月公表して行くと同時に、金融政策へ活用してゆくとのことです。「刈込平均値」はユニークな指標であり、スポーツの世界では最高得点と最低得点を出したジャッジをカットし、残りのジャッジの平均値を算出し、選手の正しい評価に活用している競技があります。「刈込平均値」は、このように評価が分かれる場合は正しい評価をする上において、有効な指標といえます。ここでは、CRM、すなわち、商品と顧客との関係に、これまで長年に渡って実践してきたF(頻度)、SABZ分析に適用してみました。ぴったり当てはまりそうな仮説ではないかと思いますので、今後、ID付POS分析に実践活用してゆきたいと思います。機会があれば、統計学者の協力を得て、実証してみたいとも思いますが、これは学者にまかせ、まずは、実践、実証結果をしっかり出すことが重要ですので、実証事例づくりに入りたいと思います。「刈込平均値」、実に興味深い指標といえます。
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