日銀、コア指数+刈込平均値、今後の経済判断指標へ!
日銀レビュー:11/20
・消費者物価コア指標のパフォーマンスについて:
・企画局 白塚重典:
・http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2015/data/rev15j12.pdf
・日本銀行は、金融政策の運営に当たって、毎月公表される消費者物価から基調的な変動を見極めるため、総合指数に混入している一時的な撹乱要因を除外した各種コア指標を利用している。もっとも、こうした撹乱要因は常に一定とは限らない点を踏まえ、本稿では、わが国で利用されているコア指標のパフォーマンスについて、分析期間を通じた安定性に注目して検討した。その結果を総括すると、除く生鮮食品、刈込平均値のパフォーマンスが総じて高いことが確認されたが、同時に、原油価格の大幅な変動の影響を受けた一時的なものである可能性が高いとはいえ、足許、除く生鮮食品のパフォーマンスが低下していることも確認された。物価の基調を的確に判断し、対外的な説明を行っていくうえでは、指標としての定着度の高さも踏まえると、引き続き除く生鮮食品を中心的な指標としつつも、刈込平均値、除く生鮮・エネルギーなど幅広い指標を活用していく必要がある。
見出し:
はじめに
→【図表 1】CPI コア指標
→【図表 2】基調的な変動の抽出
一時的な撹乱要因の影響
→【図表 3】総合とトレンドの乖離
足許の基調的な変動の捕捉力
→【図表 4】総合指数との乖離
→【図表 5】トレンドからの乖離
先行きの基調的な変動の予測力
→【図表 6】推計式 1 の複合仮説検定
→【図表 7】推計式 1 の傾き
→【図表 8】推計式 2 の傾き
おわりに
・本稿では、わが国で使われているコア指標を包括的に取り上げ、それらのパフォーマンスについて、①トレンドの捕捉力、②先行きの基調的な変動の予測力という 2 つの観点から、統計的な手法に基づく検証を行った。その際、物価の基調的な変動をわかりづらくしている一時的な撹乱要因は、その源泉や影響の度合いなど、金融経済環境の変化に伴い、時間を通じ可変的であることを踏まえ、コア指標としてのパフォーマンスの時間を通じた安定性に注目し、分析を進めた。
・その結果を総括すると、除く生鮮食品、刈込平均値のパフォーマンスが総じて高いことが再確認された。ただ同時に、原油価格の大幅な変動の影響を受けた一時的なものである可能性が高いとはいえ、足許、除く生鮮食品のパフォーマンスが低下していることも確認された。
・こうした点を踏まえると、基調的な物価変動を的確に判断し、対外的に説明していくうえでは、指標としての定着度の高さも踏まえると、引き続き除く生鮮食品を中心的な指標としつつ、刈込平均値、除く生鮮食品・エネルギーなど、幅広い指標を活用していく必要がある。同時に、各種コア指標のパフォーマンスについても、時間を通じて変化している可能性が高いことを念頭において、必要に応じ、今後とも点検していくことが望ましいと考えられる。
PI研のコメント:
・「刈込平均値」、CPIを見る時の今後重要な指標であるとの結論を日銀が膨大なデータを分析、検証した結果、導きだしました。すでに、「消費者物価コア指標とその特性」の小論の中での結論、「①除く生鮮食品・エネルギー、②上昇・下落品目比率、③刈込平均値、④最頻値、⑤加重中央値の試算結果を定期的にホームページ上で公表」と、次回のCPI公表時にこの5つの指標を算出し、公表すると言及していますが、その中でも、「刈込平均値」が重要な指標であるとの結論です。これは上下10%の異常値をカットした残りの平均値のことであり、この数値がCPIの母集団全体を判断するには有力であるとのことです。これは統計学的にいえば、標準偏差+-をカットし、残りの約70%で平均をとってみることとほぼ同じ考え方ですので、今後、様々な統計判断に迫られた時、参考になる研究成果といえます。CPIはもともと、生鮮食品が含まれていますので、それをカットするだけのコアCPIだけでなく、刈込平均値をも参考にし、判断することが重要だということを示したといえ、今後、CPIの評価が日銀により、どう変わってゆくのか、次回以降のCPI、そして、日銀の経済判断、金融政策の変化に注目です。
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