イオンリテール、2016年2月本決算、GMSの動向!
イオンリテール、2016年2月、本決算、4/13
・https://www.aeon.info/index.html
・http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1344161
B/S関連:キャッシュの蓄積:
・総資産: 1兆1,696 億円
・純資産比率:23.07%(昨年 26.79%)
・流動資産 : 3,590億円(総資産比 30.69%)
・流動負債 :7,970億円(総資産比 68.14%)
・固定負債:1,026億円(総資産比 8.77%)
P/L関連:キャッシュの創出:
・売上高: 1兆9,905億円(2.84%) 、営業利益:48億円( 92.00%)
・経常利益:29億円( 7.41%)、当期純利益:161億円( %)
・原価:74.10%(昨年 73.54%):+0.56、売上総利益:25.90%(昨年 26.46%):-0.56
・経費:35.03%(昨年 35.71%):-0.68
・マーチャンダイジング力:-9.13%(昨年-9.25%):+0.12
・その他営業収入:9.37%(昨年9.38%):-0.01
・営業利益:0.24%(昨年0.13%):+0.11
イオンリテールのコメント:
・GMS事業:
・GMS(総合スーパー)事業は、営業収益2兆8,382億39百万円(前期比105.9%)、営業利益93億90 百万円(同80.9%)となりました。
・同事業では、イオンリテール株式会社、イオン北海道株式会社、及びイオン九州株式会社が2015年9 月、株式会社ダイエーが有するGMS事業の一部38店舗の運営を承継し、国内各地域で「ベストローカ ル」の実現を目指す新たな体制へ移行しました。
・イオンリテール株式会社は、革新性ある商品の開発、商品価値を訴求する販促企画の展開、及び新業 態「イオンスタイル」を中心とした既存店舗の活性化に取り組み、中でも「イオンスタイル」の早期展 開を推し進めることで、店舗の競争力及び収益性を高めました。加えて、地域密着経営のさらなる深耕 に向け、商品部を中心とした各カンパニーへの人材配置や権限委譲を強めたほか、品揃えや商品開発、 セールスイベント等においても地域を主眼に充実させ、他社との差別化を図るサービスや売場づくりに 努めました。11月度の記録的な暖冬影響を受け、同社の当期既存店売上高は対前期比99.7%(内訳は、 衣料98.1%、食品100.3%、住居余暇99.3%)となりましたが、直営荒利益率については、売場人員の拡 充等の現場力を強化した体制での店舗運営等が奏功し、前期実績を0.3ポイント上回りました。また、既 存店販管費については、集客施策の強化に向けた販促活動を積極的に実施したものの、堅実な経費コン トロールに努めた結果、対前期比99.4%となりました。
・イオン北海道株式会社は、地域経済の活性化に寄与する新規出店や既存店舗の活性化、並びに規模の 成長が著しいインバウンドやインターネット市場での事業展開を強化しました。また、株式会社ダイエ ーから承継した店舗において、両社の強みを融合した売場づくりを行うとともに、函館市等の未出店地 域への事業展開を図り、北海道地域におけるシェアを拡大しました。
・イオン九州株式会社は、収益力の向上を目指し、九州各県との協働による特産品フェアの開催、同地 域の多様な食文化を反映した品揃えの拡充等、地産地消・地産域消への取り組みを推進しました。さら に、地域素材の活用と地元に根付いた九州独自の商品開発を進めるため、同じく九州地域で事業展開す るマックスバリュ九州株式会社及び株式会社レッドキャベツとの間で「九州商品開発部」を新たに発足 しました。
イオンの株価:
・http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=8267.T
PI研のコメント:
・イオンリテール、イオンのGMS事業の2016年2月期の本決算を集計しました。イオンリテールはGMS業態の中でも食品の構成比が57.7%と高く、食品スーパーに近い商品構成ですが、決算内容は食品スーパーではありえない構造となっています。今期は前期と比較すると改善傾向が見られますが、依然として、利益水準は厳しい状況です。食品スーパーの経営構造との大きな違いは資産構造と経費構造にあるといえます。1店舗当たりの資産を算出すると、イオンリテールは約20億円弱であるのに対し、食品スーパーの業界平均は約5億円ですので、約4倍の資産を前提に商売をしているといえます。また、経費構造ですが、イオンリテールは35.03%ですが、食品スーパーの業界平均は約25%ですので、約10%の差があります。結果、イオンリテールは同じ食品を主に扱う業態であるにもかかわらず、全く異質の収益構造であり、売上総利益(粗利)が25.90%ですので、利益の源泉も商品売買から上げることはできず、結果、不動産収入や物流収入等のその他営業収入の9.37%に依存せざるを得なくなります。マーチャンダイジングよりも、テナントリーシングや規模の拡大が重要な経営戦略となり、食品スーパーとは本質的に利益構造が異質な業態といえます。さて、今期のイオンリテールですが、経費比率は-0.68ポイント改善しましたが、原価率が+0.56ポイント上昇し、さらに、利益の源泉のその他営業収入が-0.01ポイントダウンしましたので、+0.11ポイントの利益の改善にとどまり、営業利益率も改善したとはいえ、0.24%と厳しい結果となりました。新業態「イオンスタイル」を積極的に展開とのことですが、まだ、数字には表れていないようです。イオンリテール、依然として厳しい収益構造の中、今後、イオンスタイルへの業態転換を推し進めてゆくことになると思いますが、GMS特有の資産構造と経費構造をどう圧縮してゆくのか、その動向に注目です。
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