豆腐予測コンペ、実践に投入!
豆腐の生産量予測の精度が最大15%向上、
ポッカサッポロが分析コンペの優秀作を業務に採用
・日経BigData:6/14
・http://business.nikkeibp.co.jp/atcl...
・ポッカサッポロフード&ビバレッジとその子会社で豆腐を製造・販売する日本ビーンズは、オプトホールディングとともに豆腐の適正生産量を予測する分析コンペティションを実施した。最も優秀だった予測モデルは一つの商品において、日本ビーンズの担当者の予測精度を15%上回った。日本ビーンズは5月から予測モデルを業務に取り入れ、精度のさらなる向上を図っている。
・コンペは2016年2月16日~3月31日に実施した。予測モデル作成用に提供したデータは2014年~2015年のもの。まず、気象庁の東京、神奈川、埼玉、千葉33地点の日別の気象データ(気温、湿度、降水量、風、天気)と、NTTドコモの環境センサーネットワークによる関東を中心とした55地点の1時間ごとの気象データ。さらに、日本ビーンズの豆腐製品の日々の特売予測データを提供した。これは日別、商品別の特売の実施によって商品販売量がどれくらい上振れするかの予測値だ。特売情報は営業が収集している。
・日本ビーンズは3月に主力ブランドを刷新し「日本橋豆腐店」として全21アイテムをそろえた。調理に時間がかけらない共働きの若年層が増えていることを踏まえ、今夏は、すぐ食べられるたれ付きのおぼろ豆腐に売り上げ拡大の牽引役を期待する。そのためには品切れは絶対に避けたいところ。新たな予測モデルにかかる期待は大きい。そして今後は、データに基づく需要予測を他の食品にも横展開していく方針だ。
Save the 豆腐! ~豆腐はおぼろなれども予測は明快たるべし~
・株式会社オプトホールディング:
・https://deepanalytics.jp/compe/18?t...
・コンペ概要:
・2016/03/31 (終了)、応募人数114人、報酬1位15万円、2位10万円、3位5万円
・気象データと特売情報から5種類の豆腐の需要予測モデルを作成していただきます。
さて、今回のテーマは「豆腐」です。豆腐は古来から食べられてきた日本食の一つで、長寿食といわれてきました。近年では、健康食品やダイエット食品としても注目されています。このように、食品として多くの魅力を持つ豆腐ですが、保存期間が短く、作り置きができないという特徴も持ちあわせています。
・工場では次の日の売れ行きを予想して豆腐を製造していますが、もし欠品した場合は、売上機会損失や顧客の信頼低下を招きます。一方で、売れ残ってしまうと、その豆腐は廃棄されることになってしまいます。
・このような食品の廃棄に関する問題は「食品ロス」と呼ばれ、現在日本が直面している社会問題のひとつです。世界の生産量の実に3分の1にあたる約13億トンの食料が毎年廃棄されており、廃棄にかかる経済的コストは約7500億ドルに及びます。限りある資源を有効に活用しつつ経済を健全に発展させるためには、食品の需要予測の精度を高めることが重要で、食品業界においても、今データサイエンスが注目されつつあります。
・ある研究では、豆腐の売上が気象と連動し、さらに「どのくらいの気温か」よりも「どのような経過をたどってこの気温になったか」が重要という成果もあるようです。
・今回のコンペでは、そんな豆腐を、食品ロス問題から救っていただくために最適な生産量を予測していただきます。
・評価方法:
・評価は RMSE(Root Mean Squared Error 平均二乗平方根誤差)を使って行います。この値は真の値との誤差の平均を表しますので、小さい値を算出した参加者様を上位とします。
PI研のコメント:
・日経Big Dataが6/14、「豆腐の生産量予測の精度が最大15%向上、ポッカサッポロが分析コンペの優秀作を業務に採用」とのテーマの記事を掲載しました。興味深い内容です。ポッカサッポロフード&ビバレッジの子会社、日本ビーンズが「オプトホールディングとともに豆腐の適正生産量を予測する分析コンペティションを実施」し、その優秀ソフトを実践に投入したという内容です。豆腐の難しさは、「工場では次の日の売れ行きを予想して豆腐を製造していますが、もし欠品した場合は、売上機会損失や顧客の信頼低下を招きます。一方で、売れ残ってしまうと、その豆腐は廃棄される」ということにあり、この予測には経験上、気温との関係が大きいことが知られています。今回のコンテストでも、「気象データと特売情報から5種類の豆腐の需要予測モデルを作成」とのことで気象庁の天候データと生データを活用し、その予測を試みることが求められていました。また、その評価は RMSE(Root Mean Squared Error 平均二乗平方根誤差)を採用とのことですので、高精度が求められるコンテストであったといえます。その結果ですが、「日本ビーンズの担当者の予測精度を15%上回った」とのことですので、まさに、経験と勘を超えたアルゴリズムができたといえます。食品スーパーにとっては発注がもっとも重要な課題ですが、今後、食品スーパー側からはもちろん、今回のようにメーカー側からの改善も重要な課題といえます。結果、欠品、過剰在庫の問題を超え、廃棄を含めた環境改善にもつながるといえます。その意味で、発注は小売業側だけでなく、より、メーカー、そして、社会全体の問題でもあるといえ、今後、不可欠な解決課題といえそうです。
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