イオン、第3四半期、増収増益、最終赤字、株価は上昇!
イオン、2017年2月、第3四半期、1/11
・http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1429790
B/S関連:キャッシュの蓄積:
・総資産:86,747.51億円
・自己資本比率:12.5%(昨年 13.9%)
・現金及び預金: 6,542.93億円(総資産比 7.55%)
・⇒銀行業における貸出金:1兆4,627.24億円(総資産比 16.87%)
・⇒銀行業における預金:2兆3,996.53億円(総資産比 27.67%)
・有利子負債:2兆2,536.37億円(総資産比 25.98%)
・買掛金 :9,343.83億円(総資産比 10.71%)
・利益剰余金 :5,466.37億円
P/L関連:キャッシュの創出:
・営業収益:6兆998.60億円(1.1%) 、営業利益: 853.76億円( 5.6%)
・経常利益:850.40億円(3.7%)、当期純利益:△172.56億円( %)
・親会社株主に帰属する四半期純損失は、当第3四半期連結会計期間において前年同期と比較し 77 億 20 百万円の増益となり大幅な改善を達成した結果、当第3四半期連結累計期間では 172 億 56 百万円(前 年同期より2億 18 百万円の増益)となりました。
⇒ 通期予想:営業収益:8兆4,000.00億円(2.7%:進捗 72.62%)、営業利益:1,900.00億円(7.4%:進捗 44.94%)
・原価:72.63%(昨年 73.14%):-0.51、売上総利益:27.37%(昨年 26.86%):+0.51
・経費:38.52%(昨年 37.85%):+0.67
・マーチャンダイジング力:-11.15%(昨年-10.99%):-0.16
・その他営業収入:12.73%(昨年 12.50%):+0.23
・営業利益:1.58%(昨年 1.51%):+0.07
⇒減損損失:51.97億円(昨年132.55億円)
⇒災害による損失:20.74億円(昨年 億円)
イオンのコメント:
・グループ共通戦略:
・6月から、新たな共通ポイント「WAON POINT」サービスを開始し、現金でのお買物にも 対応する「WAON POINTカード」を新たに発行しました。これまでイオングループ各社で 運営していた会員組織を順次新サービスに統合しており、「WAON POINTカード」稼働人 数は、8月末時点で新規会員を含めて 3,000 万人を突破しました。「WAON POINT」は、 加盟店でのお買物以外にも、ウォーキング等の健康増進活動や環境保護活動でポイントを貯めたり、 寄付等の社会貢献活動でポイントを利用できる、社会性、公共性に優れたサービスです。地域との 連携も推進し、地域社会の基盤となる共通ポイントサービスを目指しています。
・フランスを中心に欧州にてフローズン専門の小型SM事業を展開するPicard Surgelés SAS社(本 社所在地:パリ)と、6月、日本における「PICARD(ピカール)」の本格展開について合意し、新 会社「イオンサヴール株式会社」を設立しました。日本初のフローズン専門SMとして、11月23日 に「Picard青山骨董通り店」、12月9日に「Picard麻布十番店」の2店舗をオープンしました。「365 日、いつでも誰でもおいしさ溢れる食卓を」というコンセプトのもと、冷凍技術を最大限に活かし たおいしくかつ美しい商品が、お客さまからご支持をいただいています。
・6月に、フランスを基点に欧州にてオーガニック小型SM「Bio c’ Bon(ビオセボン)」を展開 しているMarne & Finance Europe社(本社所在地:ブリュッセル)と合弁会社「ビオセボン・ジャ ポン株式会社」を設立し、12月9日に日本1号店となる「Bio c’Bon麻布十番店」をオープンしま した。オーガニック食品を気軽にお試しいただけるように対面キッチンのデリコーナーを設置し、 出来立ての惣菜やサンドイッチを提供する等、オーガニックのあるくらしを積極的に提案しお客さ まからご支持をいただいています。
・アジアシフトを推進する中、成長著しいミャンマー市場において同国でのSM事業、専門店事業や 不動産事業等を営むCreation Myanmar Group of Companies Limited(以下、CMGC社)と合弁会社 「イオンオレンジ株式会社(AEON Orange Co.,Ltd.)」を設立し、8月、CMGC社傘下のHypermart 社から14店舗を譲り受けて事業を開始しました。9月30日には、最大都市ヤンゴン市に、新会社と して1号店となる「イオンオレンジ North Okkalapa店」をオープンしました。
日本経済新聞:1/7
・イオンが小幅高 最終赤字も店舗の統廃合進捗を評価
・http://www.nikkei.com/markets/company/article/?n_cid=DSMMAA13&ng=DGXLASFL12HD9_S7A110C1000000&scode=8267
・(10時5分、コード8267)続伸している。寄り付き直後に前日比19円50銭(1.1%)高の1718円50銭まで上昇した。11日の取引終了後に発表した2016年3~11月期の連結決算は、営業利益が前年同期比6%増の853億円だった。ドラッグストアの好調などが寄与した。一方、店舗の減損損失などにより最終損益は172億円の赤字となり、株価は小幅ながら下げる場面もあった。ただ、市場では「小売り再編の流れから店舗の統廃合などはやむを得ず、財務体質改善のためにも方向性は悪くない」(国内機関投資家)との声があり、現時点では低迷する総合スーパー(GMS)事業の改革などを評価する動きがやや優勢なようだ。
イオンの株価:1/12
・http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=8267.T
・時価総額 1,498,838百万円(1/12) = 1,719円(1/12) × 871,924,572株(1/12)
・株価 1,719円(1/12)=PER(会社予想): 143.97倍(1/12)×EPS 11.94円(2017/02)
・株価 1,719円(1/12)=PBR(実績):1.33倍(1/12)×BPS 1,295.64円(2016/2)
PI研のコメント:
・イオンが1/11、2017年2月期の第3四半期決算を公表しました。結果は営業、経常段階では増収増益、当期純利益は減損損失が嵩み、赤字決算となりました。日経新聞によれば、投資家は今回の決算結果を買い優勢と判断したとのことで、株価は下がることなく、若干ですが、上昇しています。「現時点では低迷する総合スーパー(GMS)事業の改革などを評価する動きがやや優勢」とのことで、GMSへどうイオンが本格的に向き合うか、そこを見ているといえそうです。営業段階で増益となった要因ですが、原価、経費段階では経費が大きく上昇、原価の改善を上回り、マイナスとなっていますが、それをGMS業態特有ともいえるその他営業収益の改善でプラスにもっていったことが大きいといえます。それしても、その他営業収益が12.73%、売買差益、すなわち、マーチャンダイジング力が-11.15%とは、食品スーパーをはじめ小売業では考えられない財務構造といえ、GMS改革は、この構造にどうメスをいれるかが大きなポイントといえます。また、イオンは金融関連の経営へのインパクトが大きく、今回の決算でも負債に「銀行業における預金:2兆3,996.53億円」、資産に「銀行業における貸出金:1兆4,627.24億円」を計上しており、1兆円単位のB/Sへのインパクトであり、これも小売業の決算とは異質のものとなりつつあります。今回、このような中で興味深い動きとしては「新たな共通ポイント「WAON POINT」サービスを開始」したことです。金融を中核に据えるのであれば、クレジットカードへのシフトが通常かと思いますが、あえて現金カードを新たに発行、「会員組織を順次新サービスに統合」してゆくとのことです。すでに、 会員も3,000 万人を突破とのことですので、日本でも有数のポイントカードとなりつつあります。今後、この「WAON POINT」がイオングループのメインカードとなってゆくと思われ、どのような顧客との関係を構築してゆくのか、気になるところです。イオン、GMS改革に本格的に取り組みはじめたといえ、今後、どのように企業構造を変革してゆくのか、その動向に注目です。
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