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September 22, 2017

公正取引委員会、警告、野菜の不当廉売!

株式会社カネスエ商事及び株式会社ワイストアに対する警告について:
・公正取引委員会:9/21
・公正取引委員会は,食品スーパーを営む小売業者である株式会社カネスエ商事及び株式会社ワイストア(以下「2社」という。)に対し,本日,次のとおり,警告を行った。 
・本件は,2社が,独占禁止法第19条(同法第2条第9項第3号〔不当廉売〕)の規定に違反するおそれがある行為を行っていたものである。

警告の概要:
・(1)ア 株式会社カネスエ商事は,愛知県犬山市にカネスエ五郎丸店を出店しているところ,平成29年4月26日,株式会社ワイストアが同市にワイストア犬山店を新規開店したことを契機に,野菜の主力商品であり,消費者の購買頻度が高いキャベツ等(注1)の販売価格を引き下げ,以降,2社は,前記各店舗におけるキャベツ等の販売価格を対抗して順次引き下げた。
 イ 2社は,それぞれ,カネスエ五郎丸店又はワイストア犬山店において,平成29年5月11日から同月18日までの間に,キャベツ等を1円で販売し(注2),当該野菜の販売数量を大幅に伸ばしたことにより,前記店舗の周辺地域に所在する野菜等の販売業者の事業活動を困難にさせるおそれを生じさせた疑いがある。
 ウ 平成29年5月18日,本件について,公正取引委員会が調査を開始したところ,同月19日以降,カネスエ五郎丸店及びワイストア犬山店におけるキャベツ等の販売価格は順次引き上げられ,前記イの行為は取りやめられている。
 (注1)キャベツ,ほうれん草,もやし,きゅうり,大根,レタス及び小松菜が対象(小松菜はカネスエ五郎丸店のみ。)。以下同じ。
 (注2)カネスエ五郎丸店においては,きゅうりを3本3円で販売。
・(2)前記(1)イの行為は,それぞれ,独占禁止法第19条(同法第2条第9項第3号〔不当廉売〕)の規定に違反するおそれがあることから,公正取引委員会は,2社に対し,今後,このような行為を行わないよう警告した。

カネスエ:

株式会社 義津屋((株)ワイストア):

PI研のコメント(facebook):
・公正取引委員会が9/21、「株式会社カネスエ商事及び株式会社ワイストアに対する警告について」という報道発表資料を公開しました。新聞、テレビ等ではすでに報道されていますが、公正取引委員会は何を問題として、何を警告をしたのかを見てみると、以下となります。「平成29年5月11日から同月18日までの間に,キャベツ等を1円で販売」、キャベツ等とは「キャベツ,ほうれん草,もやし,きゅうり,大根,レタス及び小松菜」であり、さらに、「きゅうりを3本3円」、これが「周辺地域に所在する野菜等の販売業者の事業活動を困難にさせるおそれを生じさせた疑い」があり、結果、「独占禁止法第19条(同法第2条第9項第3号〔不当廉売〕)の規定に違反するおそれ」があるとのことです。ちなみに、この条文は「正当な理由がないのに,商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給することであつて,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの」であることから、今回のケースは、この中の2つの要件に抵触、すなわち、「供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給」しただけでなく、「他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれ」があるとのことです。参考資料1で図解されているように、「周辺地域に所在する野菜等の販売業者」の事業活動を困難にさせるおそれを特に指摘しているといえます。今回のケースはすでに「継続して」おらず、さらに、「他の事業者の事業活動を困難にさせる」ところまではいっていないようですので、警告でとどまる可能性は高いといえますが、食品スーパー業界への公正取引委員会の警告といえ、いわゆるカットスローコンペティーションが競争戦略としては打ち出せない時代に入ったといえます。今回の件は食品スーパーの競争戦略とは何かを改めて問われているといえ、何を競争とするか、顧客の支持を売るには何が重要かが問われているといえます。ちなみに、参考資料2では、昭和57年のマルエツ、ハローマートの牛乳の事例を同様のケースとしてあげています。

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