« 食品スーパーマーケット最新情報、厳選5つ、2026年8月27日! | Main | 【トライアル】西友買収で「利益70%減」の衝撃 »

August 28, 2026

2026年7月度 小売・スーパーマーケット売上実績 総合評価報告書

Sales_trends_by_sector
PI研のコメント:

2026年7月度の国内小売市場は、6月度の一時的な落ち込み(全体平均前年比99.7%)から脱し、**全体平均前年比101.4%**と再び前年超えの回復軌道に乗りました。本報告書では、回復を牽引するスーパーマーケット(SM)業界の「二極化構造」を中心に、各業態のパフォーマンスを総合的に評価します。

1. 主要業態の全体サマリー:全業態が前年超えへ復帰 2026年6月度は百貨店を除く全5業態が前年割れに沈みましたが、7月度は**すべての業態が既存店売上高前年比100%を突破**しました。
* **百貨店**: **106.1%** (前月106.0%からさらに加速、圧倒的な独歩高)
* **スーパーマーケット(SM)**: **100.8%** (前月99.4%から反発)
* **コンビニエンスストア**: **100.5%** (前月99.0%から反発)
* **ドラッグストア(DgS)**: **100.5%** (前月98.9%から反発)
* **総合スーパー(GMS)**: **100.4%** (前月98.8%から反発)
* **ホームセンター(HC)**: **100.1%** (前月95.9%から急回復)

2. スーパーマーケット(SM)業界分析:顕著な「二極化構造」 SM業界の平均は**100.8%**と回復を示したものの、企業間の実績には明らかな格差(二極化)が生じています。

① 成長を牽引する「勝ち組」企業 明確な独自の強みを持つ企業が売上を大きく伸ばしています。
* **成城石井 (104.8%)**: 高付加価値・プレミアム路線の強みが健在で、SM業態で首位。
* **トライアル (104.0%)**: ディスカウント(EDLP:エブリデー・ロー・プライス)およびスマートストア展開が支持され、高い成長を維持。
* **ヤオコー (102.7%)**: 「豊かで楽しい食生活」を提案する提案型MD(商品政策)が功を奏し、高い顧客支持を継続。
* **ダイイチ (102.4%)**: 北海道エリアを基盤とする地方実力派が好調を維持。

② 前年割れに苦しむ企業群 競合激化や地域的な逆風を受け、100%を下回る企業も多数見られます。
* **オークワ (96.2%)**: 競争激化の影響を受け、前年比で最も厳しい水準。
* **カスミ (97.7%)**: 既存店売上の低迷が続いており、依然として再建の途上。
* **関西フードマーケット (98.7%)**、**マックスバリュ東海 (98.8%)**: 広域スーパーも前年水準に届かず。
* **USMH (99.5%)**: 傘下のマルエツ(99.8%)やカスミの低迷が響き、グループ全体でも前年割れ。

3. 他業態との比較:百貨店の「独歩高」とその他業態の動向

① 百貨店の「独歩高」が継続 百貨店は前年比**106.1%**と突出した強さを見せています。
* **三越伊勢丹 (110.0%)** や **高島屋 (108.7%)**、**エイチ・ツー・オー リテイリング (106.4%)** が全体を大きく牽引。
* インバウンド(訪日外国人客)消費の獲得に加え、高額品(高級ブランド、時計、宝飾品等)の旺盛な国内富裕層需要が業績を強力にバックアップしています。

② コンビニ・ドラッグストアの緩やかな回復 * **コンビニ (100.5%)**: **ローソン (101.3%)** や **セブン‐イレブン (100.6%)** が前年をクリアした一方、**ファミリーマート (99.7%)** は僅かに前年を割り込み、コンビニ大手3社間でも明暗が分かれました。
* **ドラッグストア (100.5%)**: 食料品の価格訴求に強い **クリエイトSDH (103.4%)**、**ウエルシアH (103.2%)**、**マツモトキヨシH (103.1%)** などが好調。一方、**カワチ薬品 (94.2%)** は大きく前年を下回るなど、DgSでも二極化が進行しています。

4. 総括と今後の展望 2026年7月度は、天候要因の回復や夏のボーナス需要などの追い風もあり、全小売業態が前年超えを達成しました。しかし、実態は「すべての企業が順調」というわけではありません。

特にスーパーマーケット(SM)業界においては、**「高付加価値(成城石井)」「価格訴求・EDLP(トライアル)」「強力な食の提案力(ヤオコー)」**といった独自の尖った強みを持つ企業への顧客集中が進んでいます。一方で、明確な差別化ストーリーを描けていない中堅スーパーや広域スーパーは前年割れから抜け出せず、二極化がさらに固定化していくことが懸念されます。

今後は、仕入価格高騰(インフレ)が続く中で、顧客の財布の紐がさらに引き締まることが予想されます。「独自の提供価値」を確立し、客数・単価双方を維持できる企業のみが、次期も引き続き市場をリードしていくものと考えられます。

noteで音声解説もしています。

━━━━━━ お知らせ! ━━━━━━━━━━━━━━━ 
New!
財務3表連関分析2026、リリース

NotebookLMで音声解説を制作!!
「NotebookLM、棚割りと併買、AI(Grok)との対話」 

新刊です!
 BayoLinkSで実践するベイジアンネットワーク
  *第5章_ベイジアンネットワークでID-POSデータから顧客行動を分析するを執筆しています。  

1.週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!
2.facebookに「食品スーパーマーケット最新情報」グループ創設_6,100人
   *投稿記事:オペレーションズリサーチ学会へ投稿
3.YouTube、チャネル登録はこちら!
4.X(twwiter)はこちら!

 

« 食品スーパーマーケット最新情報、厳選5つ、2026年8月27日! | Main | 【トライアル】西友買収で「利益70%減」の衝撃 »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

« 食品スーパーマーケット最新情報、厳選5つ、2026年8月27日! | Main | 【トライアル】西友買収で「利益70%減」の衝撃 »