February 23, 2008

日経MJ、新製品週間POSランキング2/22、バレンタイン!

   今週の日経MJ、新製品週間POSランキングは何といっても菓子部門であろう。今週は2/10から2/16までの新製品のPOSデータであるので、ちょうど2/14の聖バレンタインデーを挟んだPOSデータでの新製品ランキングとなったため、菓子部門のチョコレートに注目が集まった。実際、菓子部門の新製品のランキングを見てみると、ベスト5はすべてチョコレートとなり、菓子部門全20品の内、17品がチョコレートという異常事態である。チョコレート以外の3品とは初登場No.7の江崎グリコ、チーザ<カマンベールチーズ>38g、客単価303円、同じく、No.14に入った江崎グリコのチーザ<チューダチーズ>38g、客単価274円、そして、No.19のカルビー、じゃがりこほんのり梅味58g、客単価249円である。これ以外の17品はすべて、菓子部門はチョコレートがランキングを占めており、聖バレンタインデーの強さをまざまざと見せつけた1週間となった。
 
   そのチョコレートであるが、No.1は帝国ホテル、マーブル7枚、客単価427円であった。カバー率は21.6%とけっして高くはないが、対象全45チェーン、250店舗の内、約50店舗での客単価となるが、427円は今週全新製品の中でも2番目であり、高い数字である。平均単価も586円と高額であるが、全新製のチョコレートの中でトップとなった。ちなみに、今週の全新製品No.1はその他食品の伊藤ハム、朝のいきいきウィンナー95g×2であり、客単価453円であった。残念ながら、今週は客単価Aクラスの500円を超えた新製品はなかったが、この新製品が453円でトップであった。
 
   チョコレートNo.2はメリーチョコレートカンパニーのセレクテッドチョコレート6個入り、客単価407円であった。平均単価も599円と高額であり、客単価400円を超える高い数値であり、今週、客単価400円以上はこれら3品のみである。No.3は先週132位から急浮上したローゼンハイムのクリームショコラ05 4個入り、客単価363円であり、先週比何と300円高である。平均単価も498円と高額である。このシリーズは次のNo.4にも先週117位から急浮上したローゼンハイムのクリームショコラ10 8個入りが客単価343円、先週比275円で入っており、平均単価さらに高額の995円であった。カバー率は28.0%、27.6%とNo.1よりはやや高いが、それでも30%はきっており、特定チェーンで強い支持を受けたものと思われるが、いずれも高い数字である。
 
   No.5は帝国ホテル、ビター7枚、客単価342円であり、先週比245円高である。以上がチョコレートベスト5であるが、これ以外の上位のチョコレートをあげると、ゴンチャロフ製菓、グラディス11個、客単価327円、平均単価498円、ロイヤルホテル、デコール・ビジュ7個、客単価291円、平均単価996円、ゴンチャロフ製菓、アベーナ8個、客単価289円、平均単価599円、同じく、ゴンチャロフ製菓、アベーナ7個、客単価284円、平均単価499円、三井観光商事、札幌グランドホテルクランチ6個、客単価283円、平均単価398円と続く。以上が、今週のチョコレートの新製品ベスト10である。いずれも、客単価がBクラス300円、Cクラスの200円を超え、高い数字であり、しかも平均単価が高額であるのが特徴である。
 
   チョコレート以外では、その他食品に客単価の比較的高い新製品が今週は多いのが特徴である。先ほどもあげたが、No.1は伊藤ハム、朝のいきいきウィンナー95g×2、客単価453円であるが、No.2は堀川、サラダアラスカ(10本入り)86g、客単価315円と先週5位からの躍進であり、客単価も17円のプラスである。No.3は日清食品、カップヌードルスパイシーカレー85g、客単価299円である。日清食品はカップヌードルの値上げ後、積極的な新製品を投入しおり、今週もこのスパイシーカレー以外にもNo.6にカップヌードルレッドカレー、客単価254円、No.7に初登場、ワタシの一杯しおラーメン67g、客単価241円、No.9にワタシの一杯しょうゆラーメン67g、客単価225円、No.10にスープヌードル59g、客単価174円、No.14にカップヌードルシーフード61g、客単価153円と6品も登場している。値上げによる主力商品の落ち込みを、積極的な新製品投入による品揃えの拡大により、売上をカバーしようとする狙いといえよう。今後、これら新製品が客単価Cクラスの200円以上を維持できるかがポイントとえいよう。

    今週は、この2つの商品群が特徴的な1週間であったが、これ以外では、飲料のNo.1に初登場のアサヒ飲料、十六茶2Lが客単価249円で入った。No.3にも十六茶490mlが客単価196円で入っており、今後、注目の新製品といえよう。また、冷凍食品では、No.1はアイスクリームの先週同様、ロッテ製菓の雪見だいふく<生チョコレート>47ml×2個が客単価125円で入った。また、家庭用品では、先週同様、No.1は花王、アタックバイオジェル1kgが客単価224円で入った。
 
    このように、今週の日経MJの新製品POSランキングでは聖バレンタインデーの大きな追い風があり、チョコレートが年間最高の数字となる時期の中で、菓子部門上位20の17を独占する数字となり、しかも、客単価もすべてCクラスの200円を超える高い数字となった。また、意外に高額商品が上位を独占しており、高級感のあるチョコレートが上位に入ったのが特徴である。来週は聖バレンタインデーも終わり、新製品の動向も正常にもどると思うが、どのような新製品がランキングに入ってくるか楽しみである。

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December 10, 2007

武術の演武会に感動!

   縁あって武術団体の事務局的な仕事をするようになった。たまたま、12/9、その団体の演武会があり、ビデオ撮影を頼まれ、そのため、すべての演武内容を見る機会があった。なかなか興味深い内容であり、約3時間に78種類の演武が休みなしで、一気に繰り広げられ、あっという間に終わってしまったという印象だった。3時間は180分であるので、これを78で割れば約2分強であり、短いものは1分もかからないものから、長いものでも5分ぐらいであり、次から次へと演武が進んでゆく。しかも、古流柔術の各流派の演武から、中国拳法の少林拳から太極拳、八卦掌、形意拳などまで、幅広い内容の演武であり、さらに、子供、女性限定の演武から、まだ、入門間もないものから、10年、20年以上のベテランまでの演武であり、これだけ、ひとつの団体で、招待演武なしに、バラエティに富んだ演武ができるのも珍しいといえよう。

   実は内容もさることながら、78種類のプログラムの構成の仕方に感動した。たとえば、スタートの1、2、3は古流柔術の九鬼神流の半棒術の演武であるが、半棒術基本型、半棒術組型(抜粋)、半棒術連続型の3つがそれぞれ密接な関連があり、1で基本形を示し、2でそのための基本的な修得方法を示し、3ではその発展系として、独自の修得方法を示していた。独自というのは、古流柔術に中国拳法の修得ノウハウを入れ、連続技でわずか数分の演武の中に九鬼神流半棒術のエッセンスを入れ込んでしまう1人でノウハウを習得する方法である。

   従来、古流柔術はひとつひとつの技がノウハウの固まりのような必殺技の集大成のようになっており、それらを連続わざで修得するような方法はあまりみることがない。中国拳法では太極拳のように1人型が存在し、しかもゆっくりと演武することによって、より正確にひとつひとつの技の成り立ちと太極拳特有の呼吸法と重心移動の会得を容易にしている。太極拳に限らず、ほとんどの拳法に連続の1人型があり、その中にその拳法のすべてのエッセンスが組み込まれている。今回はまさに九鬼神流という日本古来の由緒ある武術の修得方法として、この中国拳法の知恵が組み込まれた修練方法の工夫であり、びっくりである。

   そして、4になると16までパッと少林拳に展開する。動きが早く、しかも子供だけの演武や男女混合の演武、入門間もないものから超ベテランまでの演武が続き、傘、鎌、猪八戒がもっているような3本槍のような武器をつかって対決したりと激しい演武に移る。そして、次はさらに激しい北派の少林拳、査拳、孫ぴん拳と動きの速い演武となり、ここでも各種武器が登場する。

   この激しい動きの演武の後は一転、太極拳の大河が流れるようなゆったりとした演武となり、同じ、内家拳である八卦掌の演武、やや激しい形意拳の演武がつづく。しかもこの八卦掌では、八卦掌対練、転掌八式(連続・方向転換)、八卦棍、八母掌(片側)、八母掌(活架子)、連環八掌(八肘 八捶 八腿)、八卦双剣、八卦双剣対練①、卦双剣対練②、八卦子母鴛鴦鉞と多彩な演武であり、形意拳も同様に河北派形意拳(五行拳 五行連続 連環拳)、形意三手炮、相克拳、五花炮、形意散手炮、五行連環拳、十二形拳(三種)、五行連環棍、五行連環刀、五行連環剣と徒手だけでなく、様々な武器が登場する。

   後半に入ると女性だけでの長拳、弾腿、八卦擒拿や前半でも演じた形意拳、八卦掌、太極拳のより高度な演武、少林拳も前半よりも一段深い内容となる。また、古流柔術でも柳生心眼流が初伝、中伝、最後には奥伝の演武もあり、さらには、浅山一伝流や合気道の発祥の武術といわれている大東流合気柔術などのエッセンスを巧みに組みいれた古流柔術、大和道なども演武され、これら78種類の演武が一気にパノラマのように波打ちながら、うねりながらすすんでゆく。本当にびっくりである。

   これがもし、各カテゴリーごとに、各修得クラスごとに整然と演武がなされていたら、おそらく退屈で3時間も耐えられなかったように思える。各カテゴリーが、各要素にまで分解され、それを有機的につなぎ直し、しかも、螺旋状に後半にゆくにしたがい、より、高度になってゆく流れとなっており、さらに、子供、男女、初心者からベテラン、素手から武器、独自に工夫された教練方法など、様々な角度から全体の演武が構成されている。

   ものごとをプレゼンする時には、何も考えないと、理路整然と整理された商品の倉庫を端から数えてゆくようなことになってしまいがちであるが、プレゼンは人に対してするものであり、人は感情の動物であり、心理を巧みに操り、ここちよいゆらぎと、時としては激しい刺激も必要であり、そのようなプレゼンになった時、3時間があっという間にすぎてゆくことを実感した1日であった。今回は本当に貴重な体験をしたと思う。

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November 12, 2007

パソコンにびっくり!

   まぐまぐ、食品スーパーマーケット最新情報を購読している929名の方は、今日、11/12、深夜0時0分にお手元のパソコンに、まぐまぐがとどいたかと思いますが、今回はその中の連載記事、コンサルティング、現場からのミニレポート第57回目の内容を取り上げてみたいと思います。今回のテーマは、「約5年ぶりにパソコンを買う!」というテーマです。以下に、まぐまぐの内容をそのまま引用しますので、ご参照ください。

   今回、最新のパソコンを買ってみて、大きな変化を実感しました。5年前は、DELLを買ったのですが、この時は、10万円を切る価格という安さが全盛の時代であり、基本的な機能さえ、しっかりしていれば、ビジネスには支障はないという判断でした。今回、約5年ぶりに、たまたま、ファンがおかしくなり、容量も40GB、CPUも同時にたくさんの内容をこなすと遅くなりがちになり、限界といえば限界だったのですが、新しいパソコンを買ってみてびっくりしました。これを機にexcel、word、powerpointも最新のものに切り替えましたので、さらにびっくりです。何でも最新がよいわけではないですが、今回のパソコンは、水冷式で創造以上に静かであり、画面が22型ワイドで、excel、word、powerpointの使いやすさはもちろん、画像、映像に迫力があります。

   パソコンも機能性を追求し、価格を極限まで下げる時代から、価格とはトレードオフとなる快適性を追求する時代に入ったと実感しました。特に、ビジュアル、可視化に加え、映像、音響がキーワードのように思います。ビジネスはアイデア(イメージ、思考)を形に変え、お金に換えることですが、そのためには、無味乾燥な安いだけのパソコンでは、無理があり、ここまで進化したのであれば、人間の5感、6感に訴える感受性豊かなパソコンがビジネスを実りあるものにするのではと思いました。何か時代の大きな変化を感じます。

(以下、まぐまぐ11/12からの引用です。)

   ここ最近、パソコンの調子が悪く、ハードの容量もぎりぎりとなり、全体的に遅さを感じるようになった。故障もちょくちょく起こったので、思い切って、約5年ぶりに新しいパソコンを購入した。NECのVALUSTAR G タイプWである。CPUはインテル(R) Core(TM) 2 Duo プロセッサー E4400、2GHzである。ハードは約300GBであり、これまでは40GBだったので、CPUも含め、夢のような話である。ディスプレイも22型ワイドであり、ビジュアル、プレゼンに迫力がある。

   これに加え、今回はあえて水冷式を選んでみた。水冷式にこだわったのは、これまで使っていたパソコンのファンがうまく作動しなくなり、何度も故障し、新品にとりかえてやっと故障がなくなったが、その間、業務に支障をきたし、苦労したからだ。

   その時、たまたま、DELLのパソコンだったので、中身を自分であけ、ファンをじっくり観察したり、取り外してみたりした。びっくりしたのは、CPUが創造以上に熱かったことである。少し、パソコンを動かしただけでも、やけどするぐらいの熱さになり、CPUがこんなに発熱するのかとびっくりした。ファンが必要な理由が、実感としてよく理解できた。

   そこで、買い換えるなら、ファンのしっかりしたパソコンが良いと思い、探していたら、このNECのVALUSTAR G タイプW、水冷式にぶつかった。迷わず、これに決めてしまった。実際、使ってみて実に静かだ。どんなにハードな使い方、インターネットを10画面ぐらい開き、DVDを見て、企画書をつくってみても何ともない。これまではファンがぶんぶん回り、気に障わり、パソコンはうるさいものだと思っていたが、うそのような静かさで、気品すら感じる。

   さらに、vistaも快適で、これを機会に、excel、word、powerpointを最新のものにしたので、使い勝手も格段とよくなった。officeが全体的に可視化(ビジュアル化)され、これまで、使わなかった機能を頻繁に使うようになり、自分のイメージをそのまま文章にしたり、企画にしたり、アニメ化したりでき、実におもしろい。

   いま、一番気に入っているのは、中島みゆきの地上の星を、様々な写真のスライドショーを同時に大画面で次々に映し出しながら、聴くことである。まるで、プロジェクトXのような雰囲気が味わえ、自分でナレーションを入れたくなってしまう。2、3時間、集中したあとはこれが一番だ。

   それにしても、5年前のパソコンの環境で仕事をしていたので、いっきに最新のパソコンとなり、5年というものはすごい技術の進歩があったとつくづく感じる今日この頃だ。パソコンもディスカウントの時代が完全に終わったと、この最新のパソコンを使ってみて実感する。

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October 11, 2007

イズミヤ、中間決算、増収減益、衣料品が伸び悩む!

   イズミヤが10/3、2008年2月期の中間決算を公表した。営業収益1,890.19億円(100.9%)、営業利益36.74億円(97.1%:営業収益比1.94%)、経常利益30.39億円(90.7%: 営業収益比1.60%)、当期純利益9.01億円(60.2%:営業収益比0.47%)と増収減益、増収幅もわずか100.9%と厳しい決算となった。ただ、注目された戦略業態のスーパーセンターは、「スーパーセンター各店が堅調に売上高を伸ばし」ということであるので、収益はともかく、売上に関しては、スーパーセンターの貢献が大きかったという。また、ここ最近、スーパーセンターの出店がストップしているが、来年春、6番目の店舗となる川辺稲井店(仮称)を和歌山県和歌山市に出店する予定であるといい、地元、オークワとスーパーセンターで激突することとなる。

   この中間決算の減益となった要因をイズミヤは、食品、住関連用品は比較的堅調であったが、7月の低温や天候不順の影響を受けて利益率の高い衣料品が苦戦したとのことである。イズミヤの衣食住の粗利率は25.8%であるが、衣料品は35.1%、食品は25.2%、住関連は22.6%であるので、衣料品の粗利率は他の部門よりも約10%高く、粗利貢献度は高いので、この売上が苦戦すると全体への影響が大きいといえよう。ちなみに、売上構成比と伸び率は、衣料品(18.1%、100.3%)、食品(57.5%、101.0%)、住関連(20.1%、100.8%)であるので、相乗積は衣料品6.35、食品14.49、住関連4.54となるので、何といっても食品の貢献度が大きいが、住関連よりも衣料品の方が貢献度は高く、衣料品が厳しいかったというこの中間では、粗利率に影響が出たものといえよう。

   今期、イズミヤはスーパーセンターこそ新規の出店がなかったが、食品スーパーマーケットに関しては積極的な出店を行っており、4月に細工谷店(大阪市天王寺区)、6月に玉造店(大阪市天王寺区)を同一幹線沿いに出店し、すでにこの幹線に出店している国分町店(大阪市天王寺区)と合わせて、幹線ドミナントを重視した出店を行っている。また、新たな新業態として、デイリーカナートイズミヤ平田店(大阪府茨木市)を「まるとく市場平田店」に転換し、サービス機能を削減して、EDLPを徹底的に追求するディスカウント業態へと改装した。今後、不振店対策として、すぐに閉店するのではなく、このまるとく市場への業態転換で起死回生を狙うことも選択肢となったといえよう。新業態まるとく市場の現状は堅調に推移しているといい、この11月には、デイリーカナート北助松店(大阪府泉大津市)を「まるとく市場」2号店として転換する予定であるという。

   一方、イズミヤの財務面をみると、自己資本比率は40.5%と前期の40.9%、前期の本決算時の40.2%と比べほぼ横ばいで推移しており、大きな変化はない。ただ、依然として有利子負債は1,032.01億円と1,000億円を越えており、総資産の39.17%と高水準である。出店にかかわる資産は建物及び構築物630.05億円(99.4%)と若干下がっている。これに対し、土地は899.5億円(104.0%)と今後の新規出店を見越してと思うが増加している。敷金及び保証金も304.21億円(102.1%)と若干増加し、合計1,833.76億円(102.0%)とわずかに上昇し、総資産の69.6%と高水準である。これはイズミヤが現在88店舗あるので、1店舗当り20.8億円とGMS業態が多いとはいえ、巨額の出店にかかわる資産といえる。店舗面積は現在、1店舗当り約2,000坪であるので、単純計算では約100万円の出店にかかわる資産であり、財務的には大きな負担といえ、出店そのものが、自己資本比率では相殺できず、借入に依存せざるをえない構造となっている。今後、スーパーセンターを戦略業態として進めてゆく上にも、これら財務面の改善も大きな経営課題といえよう。

   このようにイズミヤのスーパーセンターの売上は堅調に推移したが、GMS、食品スーパーマーケットが伸び悩んだといえ、売上は微増、利益に関しては粗利の最も高い衣料品が不振となり、減益となる厳しい決算となった。また、財務構造は前期、前期の本決算時と大きな変化はなく、依然厳しい状況が続き、有利子負債1,000億円をかかえ、出店にかわわる資産も高水準の状況であり、積極的な新規出店政策が打ち出しにくい構造が続いている。スーパーセンターに関しても、売上は堅調であったというが、利益貢献度がいまひとつ見えない状況であり、ここへきて、来春新規出店ということであるが、出店ぺースは落ちており、スーパーセンターがこのような厳しい財務状況の中でどのような貢献をするかが、みえにくいところである。スーパーセンターがイズミヤの真に戦略業態となりうるかいなかが、大きな経営課題といえ、今後のイズミヤのスーパーセンターの動向に注目したい。

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August 30, 2007

青森で魚のブログはじまる、ブログのおもしろい使い方!

   青森のクライアントでブログがはじまった。三沢にあるイオンの下田ショッピングセンターに入っている鮮魚専門店からの旬の魚のブログである。いずれ検索にかかってくるかと思うが、「目時の目利き!」というテーマのブログであり、店長が、毎日、今日の一押しの旬の魚を朝一番に紹介するという内容である。ひょんなきっかけで突然はじまったブログであるが、こんな使い方もあるのかと、なかなかおもしろいブログになるのではと密かに期待をしている。まだ、スタートして数日であるので、今後、どうなってゆくか予想がつかないところもあるが、とりあえず何とかスタートがきれた。当初はブログをつくるつもりではなく、売場をじっくり視察し、いつものように改善案を提案し、その改善案をどのように実行し、その売場の業績アップにつなげるかをつめていた。

   まず、主力のマグロの売場を見ると、この日はメバチが主力であり、冷凍のメバチをメインに太平洋産、台湾産がブロック主体に品揃えされ、これに生のメバチが加わり、さらに、中バチ、大バチが加わる。そして、この日は、最高グレードの本マグロまで品揃えされていた。朝早かったので、ブロック売りが主体であり、1柵、2柵で売られていた。ネギトロ、ブツ切りもあり、平台8尺以上のスペースをとってのマグロの売場である。

   気になったのは価格帯であり、マグロは鮮魚の中で唯一といってよいプライスラインによるマーチャンダイジングが可能な商品といえ、中心プライスに対して、上限プライス、下限プライス、さらには最上限プライス、最下限プライスと基本3プライスラインであり、それに上下2つが加わり、理想は5プライスラインとなる典型的なプライスラインによるマーチャンダイジングがポイントとなる商品である。それぞれのプライスラインにきれいに魚種、部位が当てはまり、バチマグロに対し、上が本マグロ、下が黄肌マグロとなり、最上位は魚種というより、中トロ、大トロなど最高部位の商品群となり、最下限はビンチョウマグロとなる。また、これに、冷凍、生が加わり、中トロ、大トロなどの最高級の部位も加わるので、業種+冷凍・生+部位の組合せとなり、その無限の組み合わせの中から、どこに照準を絞り、プライスラインによるマーチャンダイジングを組むかが大きなポイントとなる。

   特にプライスラインによるマーチャンダイジングのポイントは顧客をいかにワンランク上のプライスラインに誘導できるかが最大のテーマであり、ワンランク上に誘導できた時に、PI値×平均単価=客単価の平均単価がアップし、客単価が上がり、結果的に売上がアップすることとなる。したがって、プライスポイントをしっかり確立し、魚種の移動、部位の移動、冷凍から生への移動がスムースにできるように品揃えを行い、プレゼンテーションを工夫できるかがポイントとなる。実際、売場を見てみると、プライスラインの設定に無理があり、かつ、ボリュームディスカウトを意識しすぎ、2柵の値引きがマチマチで、利益が取りにくい売場づくりとなっていた。そこで、再度、最重点商品を明確にし、品揃えを確定し、プライスラインを再構築し、相乗積で利益シミュレーションを行い、マグロの売場の見直しをはかった。

   マグロがとりあえず、固まったので、次に、鮮魚専門店のもうひとつの強さのポイントである丸物のコーナー化と魚種の選定、今後の仕入れの方針を詰めた。また、丸物の販売場所が分散していたので、バックヤードの直ぐ前の平台にコーナーをつくり、クッキングサポートも可能な限り行う体制をどのように、どう実施してゆくかを検討した。

   そして、ここからがブログに結びついたことであるが、主客動線の先頭の平台の一角に今日の一押しの旬の魚を市場で毎日見つけ、必ず1品訴求してゆく場所をつくり、ショッピングセンターに来店している顧客の客数PI値を引きあげ、PPI、平均単価アップにつなげ、客単価アップをはかるきっかけをつくろうという提案をした。ここが今後、この店舗の最大の魅力となり、また、マグロへ、丸物へ、そして、他の商品群へつながってゆく重要な場所となるので、これを今後、継続する良い方法はないかと思い、思いついたのが「目時の目利き!」というブログである。ただ、パソコンが自宅にないということがわかり、挫折しかけたが、携帯メールと写メールでやってみようということになり、すぐに、本部に戻り、OCNでブログを開設し、モバイル設定をし、携帯でブログへの投稿可能な体制をつくり、その日、朝一番でつくったイカの売場写真とそのイカの一押しの理由を携帯メールでモバイル投稿してもらったところ、うまくいった。
 
   これでとりあえず、スタートが切れたので、挫折しなければ、明日以降毎朝、青森発の旬の一押しの魚が毎日ブログに、写メールと一押しコメント付でアップされるはずである。ブログ、「目時の目利き!」が今後、軌道に乗るかどうか、若干の不安はあるが、大きな期待と希望をもって、私も時々、コメントを入れながら、見守ってゆきたい。

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April 09, 2007

松坂と食品スーパーマーケットのプライスラインについて

   今回は松坂とプライスラインについて取り上げてみたい。この間、レッドソックスの松坂大輔の大リーグデビュー戦をたまたま出張先のホテルで、朝3時に目が覚めてしまい、見始めたら寝むれなくなり、結局、夜明けまで、全部見てしまった。あの寒さの中で、けっして、松坂は、本調子ではなかったと思うが、10Kを含む勝利投手となり、見事なデビュー戦だった。試合終了後のインタビューで松坂がいっていたように、「ゲームを良くコントロールできていた」という言葉が印象に残った。確かに、松坂はゲーム全体のコントロールももちろんだが、バッター1人1人を松坂の豊富な持ち球でしっかりコントロールしていたように感じた。

   最近、大リーグ中継が面白く、よく見るようになった。特に、ピッチャーがバッターに対し、どのような駆け引きをし、打ち取ってゆくか、逆に、バッターがピッチャーの駆け引きに動じず、見事、真芯にボールをとらえ、ヒット、あるいはホームランを打つかが実に面白い。双方、鍛え上げられたプロとしてのプライドをかけての知力、体力の持てる力を存分に発揮しての真っ向からのガチンコ勝負であり、見ているだけでも面白い。

   特に、今回の松坂のデビュー戦は、面白かった。松坂の武器である直球と高速スライダー、そしてチェンジアップの組み合わせは改めてすばらしいと実感した。以前、NHKで松坂特集をやった時、松坂のボールを流体力学から研究しているという大学教授が解説していた。それによると、高速スライダーは直球の縦回転に対し、きれいな横回転の軌道となるため(ジャイロ?)、スピードが落ちずに、曲がり方が激しく、バッターのタイミングが取りくいとのことだった。また、松坂の直球は回転数が通常のピッチャーよりも5回転から10回転多く、40回転後半となり、それだけボールが速く、しかも、10cmぐらい浮き上がるとのことで、これもバッターにはタイミングが取りにくいといういうことだった。さらに、これにチェンジアップが加わるので、松坂の直球は大きく3つ、通常、横、速さ、さらに、上下、左右と投げ分けるので、直球だけで3×3×3=27通りのパターンがあることになる。これにさらに、カーブとフォークが加わり、本調子の時は球威もあり、バッターは実に打ちにくいと思う。松坂がいう試合をコントロールするには、この基本の直球の場面場面に応じての投げ分けがポイントであると、今回の松坂のデビュー戦を見てつくづく感じた。

   実は、食品スーパーマーケットのプライスラインもこのように考えるべきではないかと思う。松坂の基本となる直球に対応する中心プライス、さらに、下限、上限プライス、そして、ここからがポイントであるが、高速スライダーとチェンジアップを顧客の流れに応じて展開できれば、顧客はバットを振ってくれるのではないかと思う。実際に買ってもらえるかどうかは別として、少なくとも商品に注意を払い、手に取ってくれるのではないかと思う。そして、これが、商品を通じて顧客をコントロールすることであり、顧客をコントロールすることによって商品の客単価、売上を上げることであると思う。

   高速スライダーとチェンジアップをどうプライスラインに当てはめるかであるが、ひとつの考え方としては、チェンジアップはプライスラインは変えずに中心プライスの商品のフェイス、あるいは、POP等を活用し、顧客への商品訴求を強調することであり、高速スライダーは価格変化をもたらすことであると考えることができよう。高速スライダーの使い方としては、上限プライスの価格を下げ、中心プライスに近づけ、上限プライスにお買い得感を出し、商品訴求を行うことであるいえよう。また、逆に下限プライスの価格を下げ、中心プライスとの差を広げ、下限プライスの安さを強調し、下限プライスの商品を訴求することも同様である。このように、売場において、顧客の流れに応じて、チェンジアップと高速スライダーを組み合わせる力を現場がつければ、現場が顧客をコントロールすることが可能となろう。

   通常の食品スーパーマーケットは賞味期限、鮮度劣化、在庫過剰等により仕方なく見切りという形でチェンジアップや高速スライダーを投げているが、もう一歩、進め、しっかりとした訓練をつみ、積極的にチェンジアップと高速スライダーを活用すれば、顧客との毎日の真剣勝負が生まれ、現場が顧客をコントロールし、売場をしっかりつくってゆけるのではないかと思う。再度、単純な直球のようなプライスラインだけでなく、チェンジアップ、高速スライダーの訓練を行い、顧客のコントロールに挑戦し、現場が自らの力で客単価アップ、ひいては売上アップを図っていけるような仕組みづくを検討してみてはどうか。

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April 06, 2007

PI値とプライスライン、PI値の本質を理解しよう!

   PI値(Purchase Index)は買上点数÷客数で表す指標であり、顧客一人当りの買上点数のことである。指標としては極めて単純な指標であり、目の前の商品と客数がわかれば、誰でも簡単に計算することができ、しかも、顧客の声をダイレクトに反映している指標であるため、比較的いろいろな場面で使うことができる。ただ、PI値がPI値のみで一人歩きするケースが多く、PI値の本質をつかんだ使い方をしているケースは意外に少ないのが実態である。

   その理由は、PI値はそもそも、売上を分解して導かれる指標のひとつであるということが認識されていないことによるといえよう。売上は客数で割れば、客単価となり、この客単価を平均単価で割ればPI値となるが、この関係、すなわち、売上=客数×客単価=客数×平均単価×PI値という方程式が理解されていないことによると思われる。この方程式が理解できれば、PI値は売上の一構成要素であることがわかり、さらに、突き詰めれば、客単価の一構成要素であることがわかる。すなわち、PI値とは客単価の一指標であり、さらには、売上の一指標であるといえる。

   したがって、PI値はPI値だけでは存在しえず、常に、客単価、ひいては売上と連動して考えることが、PI値を根本から理解するポイントである。PI値があがっても、客単価が落ちてしまえば、元も子もなくなる。同様に、PI値があがり、客単価があがっても、売上が落ちてしまえば、折角のPI値アップが報われないこととなる。PI値に取り組むときには、常に、客単価、売上を意識することがポイントである。

   そこで、このPI値の考え方を最も簡単に、現場で無理なく理解し、実践するには、プライスラインという考え方を取り入れると良いと最近気がついた。食品スーパーマーケットでは、あまり強く意識されることがないのがプライスラインである。それは、食品スーパーマーケットの平均単価はほぼ200円に集約し、平均単価が倍の400円、さらに倍の800円、そのさらに倍の1,600円、逆に、1/2の100円、その1/2の50円、その1/2の25円という商品もあるにはあるが少ないのが実態であり、ほとんどは200円に集約してゆくのが実態であるからである。実際のマーチャンダイジング政策でも明確にプライスラインを決めて、品揃えをするというケースは少なく、プライスラインを意識してのマーチャンダイジングはあるにはあるが、少ないのが実態である。

   ただ、PI値を真に実践的に理解するには、プライスラインを意識することが最も分り易いといえる。なぜなら、PI値は客単価の一要素であり、客単価=平均単価×PI値となり、平均単価を高めることは客単価のアップをはかる重要な戦略であるからである。一般的に平均単価を高めるというと、すぐに値上げとなってしまうが、平均単価を高めるとは、プライスラインを高めに誘導することである。もっと、端的にいえば、より上位のプライスラインのPI値をアップさせることである。プライスラインは通常、平均、ワンランク上、ワンランク下の3つが考えられ、平均単価アップとは平均単価よりも、ワンランク上のプライスラインのPI値を高めることであり、それによって、平均単価アップの客単価アップが実現することとなる。もちろん、平均よりもワンランク下のプライスラインを高めても客単価はアップするが、この場合は、平均単価は下がってしまい、PI値がアップして、客単価がアップすることになる。

   客単価=平均単価×PI値であるので、この平均単価をいくつかのプライスラインに分け、それぞれのプライスラインごとのPI値を算出し、より平均単価の高いプライスラインのPI値を高める努力をすれば、PI値のアップが単にPI値のアップに留まらず、平均単価を意識し、客単価アップをはかってゆくことが理解できるようになる。

   まずは、目の前の商品にプライスラインをつくり、プライスラインごとに品揃え、売場をつくり、プライスラインごとのPI値を算出し、1歩1歩、より高いプライスラインのPI値を高めてゆく努力をすれば、自然にPI値と平均単価の関係が認識でき、客単価アップにつながってゆくことになるといえよう。ただ、一方で、平均よりも下のプライスラインの商品のPI値を落とすと、折角、プライスラインを高めても客単価は下がってしまうので、その点の注意は必要である。

   このように、プライスラインを意識し、プライスラインごとのPI値を算出し、それぞれのプライスラインのPI値をバランスよくたかめ、徐々に平均単価を引きあげてゆくことにより、PI値の本質が自然に、実践的に理解できるようになるといえよう。PI値だけでものごとを判断するのではなく、プライスラインを意識したPI値アップ、ひいては客単価アップにしっかり取り組んでみて欲しい。PI値の本質が理解できるはずである。

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March 29, 2007

目の前の商品の客単価、パーソナルベストを更新せよ!

  3/24のフィギュアスケートの世界選手権で安藤美姫が逆転で優勝、金メダルを獲得した。浅田真央もショートププログラムでは5位と出遅れたが、フリーではトリプルアクセルを成功させ、2位となり銀メダルを獲得した。このフィギュアスケートをテレビで見ていたが、妙に浅田真央のインタビューが気になった。それは、試合を振り返ってのインタビューの中で、「ノーミスでパーソナルベストを出すしかないと思っていた」と言ったことだ。浅田真央以外にもほとんどのフィギュアスケートの選手は、よくパーソナルベストという言葉を口にする。フィギュアスケートは得点の世界での勝負であり、勝つためには誰よりも高得点を獲得することが必須であり、ライバルの演技、得点を気にすることよりも、自分の演技、得点を気にかけ、自己最高の得点、すなわち、パーソナルベストをめざすことが結果的にライバルに打ち勝つことになるからであろう。

  実際、ショートプログラムが終わった時点では、1位は71.95点のキム・ヨナ、2位が67.98点の安藤美姫、そして、5位が62.32点の浅田真央であり、安藤美姫は1位のキム・ヨナと3.97点、5位の浅田真央は9.63点という大差であり、特に浅田真央は得点差から見るとかなり厳しい局面にいたといえよう。この時、浅田真央は「ノーミスでパーソナルベストを出せば」と考えていたというが、この時点での浅田真央のフリーのパーソナルベストは2006年NHK杯(長野)での130.02点であり、キム・ヨナは2006年のトロフィーエリックボンパール(パリ)での119.32点である。単純合計すると、浅田真央は192.34点であり、キム・ヨナは191.27点であり、確かにパーソナルベストを浅田真央が出せば逆転のチャンスが残っていた。ちなみに、安藤美姫のこの時点でのパーソナルベストは2006年グランプリ(USA)での125.85点であり、単純合計では193.83点となり、1位となる得点である。

  そして、実際は浅田真央は見事パーソナルベストを更新し、133.13点を獲得し、キム・ヨナを逆転し、トータル194.45点で2位、安藤美姫は127.11点と同じくパーソナルベストを更新し、合計195.09点で浅田真央をも最終滑走で僅かに上回り、優勝した。ちなみに、キム・ヨナはジャンプに失敗し、115.56点とパーソナルベストを更新できず、合計186.14点で3位となった。このように、フィギュアスケートは、パーソナルベストを更新しつづけることが、優勝につながり、結果としてライバルに勝ってゆくことになるという自己との戦いがその本質であることがわかる。

  実は、客単価アップもフィギュアスケートのパーソナルベストを更新しつづけることが結果として、商品を活性化させ、店舗を活性化させ、顧客の来店頻度を上げ、売上が上がるという構造がある。そして、結果として、競合店に打ち勝ち、地域No.1の食品スーパーマーケットとなってゆく。パーソナルベストはその意味で食品スーパーマーケットにとっても重要なキーワードである。

  では、食品スーパーマーケットにおけるパーソナルベストの客単価はどのように把握するか。それは自ら取り組んでいる商品の売上と点数と店舗全体の来店客数を調べ、電卓で計算すれば良いのである。PI値は点数÷客数(%)、平均単価は売上÷点数、金額PI値はPI値×平均単価、ないしは売上÷客数で算出する。電卓ひとつで簡単に算出できるのである。あとは、金額PI値=PI値×平均単価であるので、この客単価、すなわち、パーソナルベストを更新すべく、PI値アップ、平均単価アップの様々な仮説を立て、その結果を毎日、電卓で計算し、パーソナルベストが更新されたかどうかを検証すれば良いのである。

  これを自らの商品で毎日毎日、電卓で客単価を計算し、パーソナルベストを更新しつづけてゆけば、結果として、顧客の信頼を勝ち取り、売上があがり、気付いてみると全店No.1の客単価を達成することになる。そして、それが結果的に競合店に打ち勝ち、地域No.1の店舗となってゆくのである。

  このように、フィギュアスケートのトップスケーターが実践している極意、パーソナルベストの更新を目指すということは、食品スーパーマーケットの客単価アップにも応用できる極意である。そして、それが、結果として全店No.1、地域No.1の店舗をつくってゆく早道であるといえよう。まずは、各自、自ら取り組む目の前の商品において、客単価のパーソナルベストへ挑戦してみて欲しい。

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March 21, 2007

競合店調査のポイント、まず、自店の強み弱みを認識せよ!

   食品スーパーマーケット業界では競合店調査は日常茶飯事で行われているのが実態である。私が経営コンサルタントとして駆け出しのころは毎日のように競合店調査を行っていた。もう15年以上も前の頃であるが、テープレコーダーを片手に依頼された食品スーパーマーケットの競合店の売場に入り、商品1品1品の商品名、売価、容量、フェイス、販売場所を何時間もかけて録音した。そして、そのテープを徹夜でおこし、パソコンに打ち込み、分析し、競合店対策を練るという日々の連続であった。競合店が複数に渡ることもあり、対策のレポートが仕上がるには、数週間はかかってしまうという大変な作業の連続であった。お陰で、食品スーパーマーケットの商品が自然に頭に入り、その後、POSデータが本格的に分析できる時代となり、それまでの競合店調査の経験がPOS分析に大いに役立ったといえる。

   いまから思うと競合店調査は、目的は依頼された食品スーパーマーケットの競合対策を練ることであるが、まずはじめに競合店を調べるということから入ってしまったが、実は反対ではなかったかと思う。先ず、やるべきは、自店の強み弱みを正確に認識した上で、競合店調査を行うべきであったと思う。ただ、当時は自店の強み弱みを認識する方法があるようでなかったので、競合店の商品をとにかく一品一品調べ上げ、自店の商品と比べる以外に思いつかなかったので、競合店調査が主体となってしまったといえる。

  では、現在において自店の強み弱みを、競合店調査以外に正確に知る方法はあるのだろうか。実際に現在行われていることとしては、売上構成比で分析する、家計調査データと比較するなどがあるが、私自身はPOSデータの分析が最も適しているのではないかと思っている。POSデータを分析することによって、自店の強み弱みをかなりの程度認識することが可能であると思う。

   具体的には、POSデータをPI値に換算し、金額PI値=PI値×平均単価で商品一品一品を分析し、単品の集合の小分類、小分類の集合の中、大分類、そして、全商品の合計を算出し、過去のデータと自社の他店のデータを比較し、自店の強み、弱みを全体、大中小分類、そして、最終的には商品一品一品で明確にすることである。金額PI値、PI値、平均単価は自店の顧客の購買行動をダイレクトに反映した数字であり、しかも、その顧客は自店以外の競合店でも購買している可能性が極めて高く、顧客一人一人が競合店と自店とを比較した上での購買行動の結果であると考えられる。

   したがって、この金額PI値、PI値、平均単価には競合店の情報が組み込まれた指標であると考えられ、ここから導かれる自店の強み弱みは、かなりの程度で、競合店と比べての強み、弱みを反映していると考えられよう。自店の強みは、競合店よりも強い商品、商品群であり、弱みも同様、競合店よりも弱い商品、商品群であるといえよう。そして、ここまで準備をした上で、改めて競合店を見ると、競合店の見方がただ漫然と見ていた状況から一変し、まず、自店の強みの商品、商品群が見え、同様に自店の弱みの商品、商品群が見えるようになり、その対策として、自店の強みでさらに差別化をはかり、逆に、自店の弱みを少しでも改善し、底上げをはかるというアクションが取れるようになろう。

   このようなアクションがとれれば、あとは、再度、自店のPOSデータを分析し、自店の強みであった商品、商品群の金額PI値、PI値、平均単価が過去と比べてどう変化したか、自社の他店と比べてどう変化したかを見れば、そのアクションが正しい方向、すなわち、顧客に支持されているかが判断できるようになると思う。同様に、自店の弱みについても判断がつくものと思う。そして、これを地道に繰り返すことによって、結果として、顧客からの支持を獲得し、客単価アップ、ひいては客数アップにつながってゆくものといえよう。

   このように、競合店調査はそもそも競合対策を練ることが目的であったが、このような方法を使えば、競合店調査は自店の強み、弱みを改めて確認するための参考でしかないのではないかと思えてくる。しかも、競合店対策を練るとは、究極、競合店をつぶし、自店が商圏を独占することであるといえるが、このようにまず、自店の強み弱みを認識することから入る場合は、競合店をつぶすことが目的ではなく、自店の顧客の来店頻度を増やし、より多くの商品を購入していただくことが目的となり、結果、競合店が撤退に追い込まれるということになろう。ないしは、絶対に自店の対策が打てない、弱みがあれば、それは競合店が顧客にとって自店よりも絶対的な優位性をもっていることであり、共存共栄、住み分けへとつながってゆくことになろう。

   競合店調査の前に、まず、徹底して自店の強み弱みを顧客の声によってしっかり掴むことが先決であるといえよう。そうすることよって、競合店調査そのものの目的が全くちがった位置づけとなる。まずは自店の強み3つ、弱み3つを正確に認識できるようになることがポイントかと思う。

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February 07, 2007

必見!オーケーストア、アンオフィシャルサイト

  異色な食品スーパーマーケットのホームページがある。オーケーストアのアンオフィシャルのホームページである。オーケーストアは食品スーパーマーケット業界の中でもずば抜けて好業績な企業であり、業界では注目の食品スーパーマーケットであるが、なぜか自社のホームページをもっていない。すでに、年商は約1,500億円となっているが、これだけの売上規模で自社のホームページをもたない企業は珍しいといえ、現在でも自社のホームページはない。実際、Googleで、オーケーストアで検索してみると、約700件ヒットするが、その中にオーケーストアのホームぺージを見つけることはできない。トップに来るのはオーケーストア・アンオフィシャル(OK store unofficial)のホームページである。

  このホームページはオーケーストアの関係者ではない、一般の方がひょんなきっかけからつくった非公式のホームページであるが、閲覧者の自由な書き込みが出来るWiki(ウィキ)機能を組み込んだため、閲覧者が誰でも内容を編集することができる。実際、このホームページを見るとオーケーストアのファンの方からの情報提供が多く、頻繁に内容が更新され、まさに、オーケーストアの今が浮かび上がるというホームページとなっており、通常の食品スーパーマーケットの公式ホームページと比べると、実にエキサイティングな異色なホームページとなっている。

  このホームページをつくられた方はもともと狛江ウィキという東京都の狛江市のタウン情報を運営していたところ、スーパーマーケットの紹介の中のオーケーストアへのアクセスが多いのに気づき、このオーケーストアのアンオフィシャルサイトを作ってみたという。実は本ブログへのアクセスもこのサイトからのアクセスが意外に多いが、調べてみたら、このサイトの中にオーケーストアの記事のリンクが張られており、そこを経由してのアクセスのようであった。そんなことからも、このホームページを初期の頃から時々覗いているが、現在では、内容が日々充実し、ユニークなオーケーストアのアンオフィシャルなホームページとなっている。

  たとえば、2006年11月にオープンした新店、横浜市の長津田にオープンした店舗を見ると、店舗の写真、住所、電話番号、店舗面積等の基本情報はもちろん、交通アクセス、お店の特徴が掲載されている。ここまでは、通常の食品スーパーマーケットの公式サイトと同じであるが、この次からが、Wiki(ウィキ)機能ならではのコメントコーナーがあり、実際に買い物をした方からのコメントが約30件ぐらい並ぶ。そして、最後に、WEB上での投票アンケートがあり、この店舗への来店頻度と満足度を5段階で評価する項目がある。ちなみに、この新店、長津田店は来店頻度は週に3から4回が多く、満足度と不満足度が半々という現在の結果である。このような内容で東京19店舗、神奈川17店舗、千葉4店舗、宮城3店舗、今後開店予定の川口西店、多摩大塚店まであり、他の食品
スーパーマーケットのホームページと比べ、オフィシャルであるメリットを充分にいかしているといえる。

  また、今日の買物報告というコーナーもあり、ここにはオーケーストアで買い物をした人の感想があり、すでに約100件近く掲載されており、なかなかユニークなコメントも多い。これ以外にもOKの基礎知識や雑談コーナーなどもあり、オーケーストアに関する様々な情報がたくさんの読者から、玉石混交で紹介されており、オーケーストアへの関心の高さを知ることができる。

  食品スーパーマーケットのホームーページはともすると公式見解のみとなってしまい、内容の更新もほとんどないものとなってしまいがちな中で、アンオフィシャルだからこそできたオーケーストアの非公式ホームページはオーケーストアで買い物をしている顧客と一体となったものとなっており、大変ユニークなものに仕上がっており、必見である。

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